陳水扁(ちん すいへん)

家永真幸

(1950年10月12 日〜)

第10・11期中華民国総統(2000〜08年在任)。台南生まれ。国立台湾大学法学部卒業後、1979年の美麗島事件で民主活動家の弁護士を務めたのを機に政界入りし、81年に台北市議に当選。87年に民主進歩党に入党し、89年より立法委員(国会議員)を務める。94年に実施された初の台北市長直接選挙で当選。在任中に台北市に二二八事件の記念館を設置し、国民党支配の歴史の見直しを推進した。

2000年には総統に当選し、中国国民党から民主進歩党への政権交代を初めて実現した。04年の総統選挙では台湾独立志向の強い支持者の票を集める戦略で再選を果たす。しかし、中国との関係が不安定化したのに加え、2期目の任期中に家族や側近の金銭スキャンダルが続出し、08年の国民党による政権奪還・馬英九総統の誕生につながった。

(家永真幸氏提供)

もっと知りたい方のために

・若林正丈編『ポスト民主化期の台湾政治 陳水扁政権の8年』アジア経済研究所、2010年
・松田康博『中国と台湾 危機と均衡の政治学』慶應義塾大学出版会、2025年

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