科学園区(かがくえんく)(Science Park)

國府俊一郎

アメリカのシリコンバレーをモデルに、ITや半導体などのハイテク企業と技術者を国内外から誘致し、知識の集積拠点とすることを目的に設立されている施設。戦後の台湾では、政府主導の経済再建政策の下、食品や繊維などの軽工業から重工業を経て、ハイテク産業へと経済発展の軸を移してきた。その中で1980年に新竹市に新竹科学園区が建設された。台湾の科学園区は新竹のほか、台南・高雄に広がる南部科学園区(1997年設立)と、台中を中心とする中部科学園区(2003年設立)がある。新竹科学園区は、半導体ファウンドリー(受託製造)市場で世界シェア1位を誇るTSMCの発祥地として象徴的存在だったが、TSMCの先進工場の進出により、近年では南部科学園区の売上高が最大となっている。

もっと知りたい方のために

出典とおすすめ図書
・西原博之「台湾の工業団地進出日本企業の概観と日系専門パーク設立の一考察―台南・TJパーク(台日産業創新園区)の試みを事例として―」明治学院大学産業経済研究所研究所年報 第30巻 pp.53-78、2013年

関連リンク
・新竹科学園区のウェブサイト。
https://web.sipa.gov.tw/jpWeb/index.do
・科学園区を統括する国科会による3つの科学園区の紹介ページ
https://www.nstc.gov.tw/folksonomy/detail/6551f365-d098-4a73-84bf-750623629dd7?l=ch