MRT・捷運(エムアールティ、ジエイン、しょううん)
MRTとは、Mass Rapid Transitの略称で、都市圏輸送を担う鉄道を指す。一般的には、都市高速鉄道である地下鉄を指すが、高架式の新交通システムや、Light Rail Transit(LRT、台湾では「軽軌」と呼ばれ、新北市と高雄市で運行)を含む場合もある。中国大陸では「地鉄」と呼ぶが、台湾では大衆捷運法によって規定される軌道交通であることから「捷運(しょううん)」と呼ばれる。2025年現在、台北市、新北市、桃園市、台中市、高雄市にMRTがあり、総路線長は250kmを、年間利用者数は8億人を超える(日本の地下鉄総路線長は約850km、年間利用者数は約53億人)。台湾では急激に都市化が進んだ1960年代から都市鉄道としてのMRT建設計画が立ち上がったが、実際に運行したのは1996年の木柵線が初めてだった。以後各地で建設が進み、2021年には中部初の台中捷運緑線が開業した。各都市で建設・運営事業者が異なっており、例えば台北市では市を主体とするが、高雄市では企業を中心とする。
もっと知りたい方のために
・会田裕一「台湾のLRT事業化プロセスにおける推進要因に関する実証的研究」日本大学博士学位論文、2020年(https://nihon-u.repo.nii.ac.jp/records/2001462)
