長屋惣一郎提供

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台北車站

台北駅

台湾最大のターミナル

台北駅は、台湾鉄道(台鉄)、台湾高速鉄路(台湾高鉄)、台北捷運、桃園捷運の鉄道四社五路線が集まるターミナル駅で、駅付近には中長距離バスや市内バスのターミナルも立地する台北の中央駅、そして台湾を代表する駅です。鉄道やバスの乗換え拠点というだけではなく、台鉄台北駅構内や地下街は巨大なショッピングエリアとなっており、また駅周辺は交通の利便性を生かしてデパートや商店、宿泊施設が密集しており、台北市西区の商業的中心として知られています。

学びのポイント

台北随一のショッピングスポット

台北駅は、台北市のやや西寄りに位置し、西側には龍山寺を中心とする萬華エリア、北側には大稲埕エリア、南側には総統府など官公庁が広がるエリアがあり、これらのほぼ中心に位置しています。台北駅を中心とするエリアは 西区 と呼ばれ、忠孝復興駅を軸とする 東区 、新都心である 信義区 とならび、台北の経済とショッピングの中心地です。
台鉄、高鉄、捷運やバスなどの乗り換え拠点であると同時に、これらの駅間をつなぐ広大な駅構内や地下街には、フードコートやコンビニ、薬局、郵便局、さらには書店や携帯電話ショップなど多種多様な店が充実しています。駅北側にある台北地下街(Y区)は捷運北門駅に、中山地下街(R区)は捷運中山駅まで繋がっており、両地下街にもそれぞれ多くの店が立ち並んでいます。

西区は変化を続ける台湾の象徴

清朝時代、劉銘伝によって台湾に鉄道の建設が進められました。1887年、台北と基隆をむすぶ鉄道の建設が進められ、翌年には台北から錫口(現在の松山付近)まで開業、1891年には台北から基隆までの路線が完成しました。一方、台北から南に向かう鉄道の建設も進められ、1891年には桃仔園(現在の桃園付近)まで、1893年には新竹までの路線が完成しました。当時の台北駅は、現在の台北駅よりやや西北側(捷運北門駅北側)の、大稲埕と呼ばれる地区にありました。日清戦争後、日本の統治が始まり、1901年に台北駅は現在の位置に移転しました。旧台北駅と現在の台北駅の中間地点には、清朝時代の台北府城の城門である 北門 があり、北門の南側には台北郵便局、北側には台湾総督府鉄道部(現在の台湾博物館北門園区)が置かれました。台北駅を含めたこのエリアは、19世紀から20世紀にかけての大きな変化を経験した場所でもあります。現在の台北駅は、1989年の台鉄の地下化と同時に造られた駅舎です。1997年に捷運淡水線が、1999年に板南線が、2007年に台湾高鉄が、2017年に桃園捷運が開業したことで、駅としての重要度はさらに増し、駅周辺の高架道路の撤去などの環境整備も行われました。将来的には台北駅北側の大規模な再開発が予定されており、台湾における台北駅の重要性はさらに大きくなると考えられます。

台湾の多様性を肌で感じられる場所

現在の台北駅は、清朝時代の台北駅から数えて四代目であるとされています。台湾風とも中華風とも言われる大きな屋根を載せ、駅中央には6階分の高さに相当するホールが設置され、普段は市民の憩いの場として、また時には物産展などの催事に利用されています。台北駅には、台湾を代表する名店や日本をはじめ海外からも多くの出店があるほか、台湾の駅弁である台鉄便當の販売店もいくつかあります。ひとつ300円程度で購入できる素朴な弁当は、台湾人にとって重要な心象風景のひとつです。また近年は、台北駅周辺はインドネシアなどの東南アジアから来た新住民と呼ばれる人々が集まるスポットになっています。台北地下街にはインドネシアなどの商品が手に入るスーパーマーケットがあるほか、駅の東北側にはインドネシア料理店もあり、特に日曜日には多くのインドネシア人が集まってきます。台北駅は、台湾、中国、日本、インドネシア、そして過去、現在、未来が交差する場であり、台湾や世界の 多様性を考えられる場ともなっているのです。

台北駅_内観(長屋惣一郎提供)

さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】【事後学習】台湾における「新住民」について調べてみましょう。
  • 【現地体験学習】台北駅の近くに保存されている車両はどのような特徴があるでしょうか。台北駅を探検してみましょう。
参考資料
台湾の鉄道については、多くのガイドブックなどで紹介されています。 『台湾鉄道パーフェクト : 懐かしくも新鮮な,麗しの台湾鉄道』(交通新聞社、2014年)、片倉佳史『台湾鉄道の旅 : 全線全駅路線図付き車窓ガイド』(JTBパブリッシング、2011年)などを参考にしてみましょう。やや専門的な書籍としては、小牟田哲彦『大日本帝国の海外鉄道』(東京堂出版、 2015年)、 高橋泰隆『日本植民地鉄道史論 : 台湾、朝鮮、満州、華北、華中鉄道の経営史的研究』(日本経済評論社、1995年)などがあります。新移民については、沼崎一郎・佐藤幸人編『交錯する台湾社会』(アジア経済研究所、2012年)所収、田上智宜「多文化主義言説における新移民問題」や、赤松美和子・若松大祐編著『台湾を知るための60章』(明石書店、2016年)第六章が参考になります。

(松葉隼)

ウェブサイト
公式 https://tip.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/tip00H/tipH41/viewStaInfo/1000

(日本語・中国語・英語)

所在地
台北市中正区黎明里北平西路3号