行政院農業委員会林務局阿里山林業鉄路及文化資産管理処提供

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檜意森活村

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檜意森活村(ひのき村)

林業都市の栄光を再現

「檜意森活村」文創園区は嘉義市東区にあり、嘉義阿里山林業文化と林業関係の日本式木造建築群(計28棟)の保存を兼ねた大型展示型集落です。1912年、阿里山森林鉄道が全線開通しました。それとともに嘉義の街全体が林業で栄え、嘉義は当時の台湾四大都市の一つとなりました。さらに林業に従事する人材育成を目的として、1919年に「台湾総督府嘉義農林学校」が設立されました。1915年以降、阿里山森林鉄道の始発駅である北門駅の付近に林業関係者の官舎や関連施設が多く建てられました。それらの建築用材は主に阿里山の檜が使われていたため、官舎が集中するエリアが「檜町」と呼ばれ、第二次世界大戦後「檜村里」に名称変更されました。2008年、このエリアを基地とした阿里山林業村及び檜意森活村プロジェクトが市の町おこし活動の一環として始動し、2013年に「檜意森活村」の復旧工事が完了、特にその日本的な風情が大々的に宣伝され、人気の観光スポットになりました。「檜意森活村」の周辺には嘉義製材場、動力室、蒸気機関車修理工場(現・嘉義鉄道芸術村)、北門駅など阿里山林業跡の施設があり、これらも市の指定文化財になり、一括して「阿里山林業村」と呼ばれて、一般市民の憩いの場ともなっています。

学びのポイント

「檜意森活村」の価値や意義は?

「檜意森活村」文創園区の総面積は約3.4ヘクタールです。園区内にはかつての「営林倶楽部」「眠月廬」「所長官舎」「阿里山林業館」などの建造物が活かされ、主要な展示空間として使用されています。1960年代以降、台湾の主な営林場が相次いで廃業しましたが、嘉義、阿里山の林業史は「檜意森活村」プロジェクトによって一部が伝承されました。「檜意森活村」は台湾西部の林業文化、歴史を再現する重要な役割を担っています。

「檜意森活村」の歴史空間の活性化について

園内の「阿里山林業館」では、林業関係の写真や資料などが多く見られます。また、カフェやレストラン、名産品の店も設けられています。休日にはクリエイティブマーケットや露店音楽会などが不定期に開催され、「檜意森活村」文創園区の多様性が見られます。「檜意森活村」は台湾最大規模の日本式建築群を保存しているだけでなく、歴史の保存と商業施設としての役割をはたしています。旧建造物の再利用という点でも成功し、多面的な機能を持つ歴史再生と展示の空間とも言えます。

行政院農業委員会林務局阿里山林業鉄路及文化資産管理処提供

さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】【事後学習】「檜意森活村」の位置を地図で確認してみましょう。ここの「檜」はどこから運ばれてきたものでしょうか?
  • 【事前学習】日本統治時期の嘉義が舞台となっている魏徳聖監督の映画『KANO 1931 海の向こうの甲子園』を観てみましょう。
  • 【現地体験学習】「檜意森活村」で林業や台湾映画『KANO 1931 海の向こうの甲子園 』に関係するモノを探してみましょう。
参考資料
台湾の林業文化については、行政院農業委員会林務局のサイト『台湾林悠遊網(台湾森林レクリエーションサイト)』が参考になります。台湾の林業については、林業女子・井上有加さんのブログ『a girl in the forestー井上有加ブログ』が「台湾から見る日本の林業」()と題して、阿里山の檜産業を見聞した内容を多数の写真とともに照会しています。映画『KANO 1931 海の向こうの甲子園 』は、映画の他に漫画も出版されています。魏徳聖・陳嘉蔚著『KANO 1931 海の向こうの甲子園 』(陳小雅・イラスト、宇野幸一・阪本佳代訳、翔泳社、2014年)。

(楊智景)

ウェブサイト
公式https://www.hinokivillage.com.tw/
嘉義市観光旅遊網(嘉義市政府)https://travel.chiayi.gov.tw/travel-content?id=8
所在地
嘉義市東区林森東路1号