台湾文学について通史的に把握するには、台湾人が書いた二冊の文学史が日本語訳されています。一冊目は葉石濤『台湾文学史』(中島利郎・澤井律之訳、研文出版、2000年)、もう一冊は陳芳明『台湾新文学史』(下村作次郎・野間信幸・三木直大・垂水千恵・池上貞子訳、東方書店、2015年、上下二巻)、学術書ですが、その中から気になった作家の作品を読んでみるのもいいかもしれません。日本統治期に日本語で書かれた台湾人作家の作品については、中島利郎・河原功・下村作次郎・黄英哲編『日本統治期台湾文学 台湾人作家作品集』(緑蔭書房、1999年、全5冊)で主な作品を読むことができます。また翻訳作品では、様々な作家、テーマのものが翻訳出版されていますが、先住民作家の作品を集めたものでは、下村作次郎・孫大川・土田滋・ワリスノカン編『台湾原住民文学選』(草風館、2002年~2009年、現在計9冊)があります。また『台湾セクシャル・マイノリティ文学』(作品社)、『台湾熱帯文学』(人文書院)等、テーマ別のシリーズも刊行されています。
動画「おうちで楽しもう台湾の博物館 第6回 国立台湾文学館」の冒頭では台湾文学簡史、続いて、台湾文学館の建築や展示などについて学ぶことができます。「台南を見ると台湾がわかる」のはなぜか?SNET台湾のYouTube番組
「台湾修学旅行アカデミー 第7回 台湾Area Studies~台南篇~」(講師:大東和重)も合わせてご視聴ください。
(鳳気至純平)