阿里山國家森林遊樂區 阿里山国家森林遊楽区

台湾林業、植民地経済史及びエスニック文化を含む宝庫

行政院農業委員会林務局阿里山林業鉄路及文化資産管理処提供

阿里山国家森林遊楽区は台湾の阿里山郷にあり、2001年から阿里山国家風景区の一部になりました。阿里山は山の名前ではなく、阿里山山脈の一部です。阿里山山脈の最も高い峰は大塔山です。大塔山は阿里山地区に長く暮らしている先住民族鄒族が神と見なす山です。阿里山の巨木、日の出、森林鉄道、雲海と霞が「阿里山五奇」として人々に知られています。1916年には、東京の明治神宮の鳥居の用材として阿里山産の檜の巨木が使われました。阿里山国家森林遊楽区は日本統治下の1910年代から伐採事業が始まった営林場から転身したため、園区内には林業施設の名残が多くあります。

学びのポイント

阿里山国家森林遊楽区の歴史について

1927年、阿里山は台湾日日新報社のイベントで「台湾八景」のひとつとして認定されました。同時期、阿里山や新高山(現・玉山)は多くの学校の修学旅行や卒業旅行の対象として選ばれます。1930年に阿里山国立公園協会が設立され、1937年末に国立公園に指定されました。植民地支配の成果として新高阿里山国立公園は大々的に宣伝され、台湾島内や日本内地で観光地としての知名度が徐々に高まりました。戦後、阿里山営林場は林務管理局の管轄下に入り、原生林を盗伐から守るために、林務局は1965年に阿里山、玉山(1945年終戦までの名称は新高山)など3万9600ヘクタールの国有林地を阿里山森林遊楽区と指定し、その後の1999年に阿里山国家森林遊楽区と改名しました。1960年代後半から台湾の主な営林場が次々に廃業していき、阿里山の森林資源の使用目的も生態系保全や自然観光へと変わっていきました。それとともに、阿里山のシンボルである森林鉄道の機能も、産業から観光へと転換しました。

阿里山鉄道の価値?

阿里山森林鉄道は世界有数の登山鉄道の一つです。1910年に台湾総督府によって着工され、1912年12月25日に嘉義から二万平までの区間が開通しました。1914年3月には終点の沼平までの全長71.9kmが竣工しました。当初は材木や生活物資の運搬手段でしたが、1918年から森林鉄道の職員とその家族の乗車が許可され、後には沿線の集落の住民の交通手段にもなりました。以来数十年間、阿里山の林業と山間部の人々の暮らしを支えてきました。この鉄道には、森林鉄道及び登山鉄道という機能があります。螺旋状に登って、途中スイッチバックを行い、平地から山頂まで熱帯林、亜熱帯林、温帯林という三つの姿を見せる森林を走り抜けます。2004年に台湾政府により、12の「台湾の潜在的な世界遺産」の一つに選定されました。

行政院農業委員会林務局『台湾山林悠遊網』より引用

阿里山地区の森林資源が「発見」された経緯は?

1896年に日本陸軍長野義虎中尉の探検隊が阿里山を経由した際に広範囲の原生巨木林を「発見」しました。1899年以降、小笠原富二郎、小池三九郎、石原常平、河合鈰太郎らの専門家が続々と阿里山に入って調査を行いました。1903年には台湾総督府民政長官によって、阿里山森林開発事業の方針が定められました。これが阿里山の森林開発のきっかけです。1906年に小笠原技師が樹齢2000年以上の紅檜巨木を発見し、「阿里山神木」と命名しました。台湾紅檜などの貴重な森林資源を運搬するために緻密な調査を経て、1904年阿里山鉄道の路線が確定され、1912年12月に嘉義から二万平までの間の路線が全線開通しました。以来阿里山産檜は高級木材として東京、名古屋などの日本各地に売られ、また古寺や神社の御柱の用材として重宝されました。

行政院農業委員会林務局『台湾山林悠遊網』より引用

さらに学びを深めよう

  1. 【事前学習】【事後学習】世界の様々な登山鉄道について調べてみましょう。
  2. 【事前学習】【事後学習】先住民族ツォウ族の文化や暮らしについて調べてみましょう。

参考資料

阿里山林業については、蔡龍保「台湾の近代化と日本人技師(6)台湾観光の聖地、阿里山森林鉄道の知られざる歴史」(『Think Asia』No.38、2020年1月)を読んでみましょう。行政院農業委員会林務局制作の動画 「阿里山百年記憶」もお勧めです。台湾先住民族については、赤松美和子・若松大祐編『台湾を知るための60章』(明石書店、2016年)の第24章で概要がつかめます。

(楊智景)

ウェブサイト
交通部観光局https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003116&id=247 交通部観光局(阿里山国家風景区)https://www.ali-nsa.net/ja 嘉義県文化観光局https://www.tbocc.gov.tw/SightLib/Sight_Detail.aspx?id=896990b1-1d04-e511-837e- e4115b13f301&lang=jp
所在地
嘉義県阿里山郷中正村59号