緑のトンネルの両側にあるのはマングローブであり、熱帯雨林ではありません。プチアマゾンといわれるのは、ただのイメージにすぎません。原始的な雰囲気への憧れの反映ともいえるでしょう。ここは、熱帯植物の宝庫ではありませんが、台湾でもっともマングローブの木の種類が多い場所で、ヤエヤマヒルギ、メヒルギ、 ヒルギモドキ、ヒルギダマシを見ることができます。
台南市政府観光旅遊網図庫系統、陳學斌.沈亨斌撮影
台南市の南西部方向の沿海地帯に位置し、安南区と七股区の多く、七股渓、曾文渓、鹿耳渓、塩水渓四つの河の河口部が含まれるため、砂州、湿地、塩田など、多様な景色が見られます。四草緑のトンネルのほかに、鳥のクロツラヘラサギ保護区、七股塩田もよく知られる観光スポットです。
クロツラヘラサギ保護区は、工業団地開発への抵抗をきっかけに設置したものです。中国の東北部、朝鮮半島に生息し、冬になると中国の沿岸部、台湾、日本、ベトナムなどへ渡るこの鳥は、絶滅の危機に瀕していました。台南の七股区が主要な 停留地点なので、環境や鳥に関心のある人々は、七股を予定地とした開発計画に反対し、保護区の設置を呼びかけたのです。保護というのは、簡単にいうと、生息地を邪魔しないことです。たとえば、クロツラヘラサギが過ごす10月から翌年の3月の間、現地住民の漁業行為を禁止する措置がとられています。ハマグリなどの貝類を採ってはいけない区域もあります。
クロツラヘラサギ(中華民国交通部観光局提供、呂菊蓉撮影)