茂林國家風景區-茂林區 茂林国家風景区-茂林区

大都会高雄から先住民の住む集落へ

大東和重撮影

高雄市の行政区は、沿岸の港町から中央山脈の高山地帯へと、北東に細長く伸びています。大都市高雄の市内からバスに1時間ほど乗ると、内陸への入り口の町、旗山に到着し、旗山からさらにバスを乗り継ぐと、中央山脈の小さな集落へ行くことができます。旗山から東へ1時間、山を登るバスに揺られると、茂林国家風景区に到着します。ここには、台湾の先住民であるルカイ族の住む集落があります。都会からも気軽に訪ねることのできる、台湾のもう一つの世界です。

学びのポイント

台湾の先住民

17世紀にオランダが来航して以来、台湾へは海の向こうの中国大陸から、数多くの漢人が労働力として移民してきます。漢人が来る前に、台湾の地を住まいとしていたのが、先住民たちです。台湾の先住民はオーストロネシア語族に属し、現在16のグループが認定されています。先住民は中部の山岳地帯や東部の平地、離島などを居住地としてきました。茂林国家風景区に位置する「多納(トナ)」は、先住民族のグループの一つ、ルカイ族の集落です。

大東和重撮影

ルカイ族の集落「多納(トナ)」

多納の駐車場でバスを下りたら、早速集落を歩いてみてください。「スレート」と呼ばれる平らな石を無数に積んだ家々が並んでいます。村の中には教会があり、週末なら礼拝に多くの人が集まり、賛美歌を歌っていることでしょう。村はずれまで来ると、中央山脈の2000メートル近い山がそびえます。見下ろすと、谷間に小さな畑が切り開かれ、季節によっては収穫した粟などが干されています。しかし、下界と隔絶した世界というわけではありません。人々に話しかけてみてください。「あら、日本から来たの。私、先週、富士山に行ってきたばかり」といった返事がかえってきたりするでしょう。

蝶の谷

茂林国家風景区は、その名の通り、荒々しくも豊かな自然を満喫できる土地です。坂を登り続けるバスからは、川が大きく湾曲した「スネークヘッド」などの絶景を楽しむことができます。そして忘れてはならないのは、ここ茂林が「蝶の谷」と呼ばれていること。「紫斑蝶」という名の大型の紫の蝶が乱れ飛ぶさまは、台湾の自然の美しさを象徴する風景です。

さらに学びを深めよう

  1. 【事前学習】【事後学習】台湾の先住民のルカイ族について調べてみましょう。
  2. 【事前学習】【事後学習】台湾特有の動植物について調べてみましょう。
  3. 【現地体験学習】ルカイ族の人々が住む集落を歩き、独特の建築を見て、人々に話しかけてみましょう。

参考資料

台湾の先住民については、インタビューにもとづく、柳本通彦のルポルタージュ、『台湾・霧社に生きる』(現代書館、1996年)、柳本通彦『台湾先住民・山の女たちの「聖戦」』(現代書館、2000年)、同『台湾・タロコ峡谷の閃光‐とある先住民夫婦の太平洋戦争』(現代書館、2001年)をお薦めします。どれも日本による植民地統治と先住民の関わりについて深く考えさせられる内容です。

(大東和重)

ウェブサイト
公式https://www.maolin-nsa.gov.tw/JP/ 交通部観光局https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003122&id=5850 高雄旅遊網(高雄市政府観光局)https://khh.travel/zh-tw/attractions/detail/203
所在地
高雄市茂林区多納里