哈瑪星 哈瑪星

都市高雄の出発点、日本人が住んだ街

大東和重撮影

高雄の地下鉄は「捷運(ジエユン)」や「MRT」と呼び、南北に走る「紅線(レッドライン)」と、東西に走る「橘線(オレンジライン)」が十字形に交差します。橘線の西側、塩埕埔駅から西子湾駅にかけては、戦前まで高雄の中心地でした。古くは台北へと向かう鉄道の駅があり、日本人もたくさん住んでいました。特に西子湾駅周辺は、港に線路が走っていたため、「浜線(はません)」と呼ばれました。現在はその音に漢字を当てて、「哈瑪星(ハマシン)」といいます。世界的港湾都市となった高雄の出発点は、ここ哈瑪星です。

学びのポイント

日本人が造った近代都市、高雄

高雄の市街地の中心は、現在では高雄駅の南側、二本の地下鉄が接続し、ステンドグラスが美しい美麗島駅や、さらにその南の、高層の高雄85ビルがそびえる三多商圏駅周辺です。広い道路が碁盤目状に走るので、札幌を連想する人がいるかもしれません。気候は全く異なりますが、近代以降に大規模な都市設計がされた点で、二つの都市は重なる点があります。

大東和重撮影

「哈瑪星(ハマシン)」を歩いてみると

日本統治期に日本人居住区として形成された哈瑪星(ハマシン)には、歴史的建造物が多く残っています。北の寿山のふもとに、「武徳殿」という武道館があり、東側には、かつての高雄港駅を利用した「旧打狗駅故事館」があります。哈瑪星を歩くと、それ以外にも日本家屋が残り、中には改装されてカフェなどとして生まれ変わった姿を見ることもできます。南の海沿いには、高雄港の対岸、旗津半島へ向かうフェリー乗り場があり、近くのかき氷屋はいつもにぎわっています。

高雄のかつての中心地

哈瑪星(ハマシン)の東側、北から南へ流れる愛河に沿った塩埕埔という地域は、哈瑪星とともに、戦前まで高雄の中心地でした。戦前の高雄市役所の建物は、現在高雄市立歴史博物館となっています。南の埠頭側に位置する、「駁二(ボーアール)芸術特区」は、港の倉庫群をリノベした、アートやカルチャーの発信基地です。カフェやショップなど、おしゃれな店があり、散策するだけでも楽しめます。西側の倉庫は、鉄道のジオラマを展示した「哈瑪星台湾鉄道館」です。高雄ライトレール(「高雄捷運軽軌」)も走るこの一帯は、鉄道好きにはたまらない空間です。

さらに学びを深めよう

  1. 【事前学習】【事後学習】哈瑪星は小さな区画なので、googleマップなどを使って、日本統治時代の建物などを記入した地図を作ってみましょう。
  2. 【事前学習】【事後学習】高雄の街にどんな公共交通機関があり、どんな路線があるか、調べてみましょう。
  3. 【現地体験学習】高雄市立歴史博物館を訪ね、建物を観察し、高雄の歴史を知りましょう。

参考資料

高雄の街の形成については、後藤治監修、王惠君・二村悟著『図説 台湾都市物語 台北・台中・台南・高雄』(河出書房新社、2010年)に記述があります。高雄に限定した旅の案内には、哈日杏子『GO!GO!高雄 捷運で南国台湾を楽しもう』(まどか出版、2010年)があります。南部の街を歩くガイドとしては、地球の歩き方編集室編『台南 高雄 とっておきの歩き方 台湾南部の旅ガイド』(ダイヤモンド・ビッグ社 、2017年)が使いやすいです。また、高雄で育った民族学者の國分直一は、幼い日々の回想を『遠い空 國分直一、人と学問』(安渓遊地・平川敬治編、海鳥社、2006年)に残しています。

(大東和重)

ウェブサイト
高雄旅遊網(高雄市政府観光局)https://khh.travel/Article.aspx?a=6856&l=3&stype=1059&sitem=4155
所在地
高雄市鼓山区鼓山一路