高雄は台湾を代表する港町です。世界的にも屈指の港湾で、取扱貨物量では横浜や神戸を上回っています。19世紀後半までは小さな漁村でしたが、世界へ向かって開港すると一気に成長しました。その理由は、旗津半島によって守られた天然の地形です。台風の多い台湾ですが、半島の内側は波がおだやかで、しかも大型船の入港が可能な水深があります。「哈瑪星(ハマシン)」の南にある船着き場からフェリーに乗り、港を行きかう船の数々をながめながら、5分ほどの船旅をすれば、高雄港のにぎわいを理解できるでしょう。
大東和重撮影
旗津半島の北端には、標高50メートルほどの小高い旗後山があります。山上には、19世紀に港を守るため築かれた砲台跡があります。さらに進むと、これも19世紀に設けられた白亜の旗後灯台があります。旗津山から見下ろす高雄港の美しさは比類がありません。旗津山の周辺はハイキングコースになっているので、レンタル自転車などで回ると便利でしょう。
旗津半島といえば海鮮街というほど、メインストリートの廟前路には、海鮮を提供する店が軒を連ねています。店で食べるのもいいですが、屋台もたくさんあるので、気になるものを少しずつ食べてもよし。海鮮街の入り口にある旗津天后宮は、300年以上の歴史を誇る古い廟です。海鮮街を抜けると、広々とした海水浴場が待っています。東シナ海の向こうには中国大陸があり、そこから数多くの移民たちが、海を渡って台湾にやって来たのです。