田寮月世界

田寮にある泥岩バッドランドの泥岩は、数百万年前に山脈が侵食されて台湾周辺の海に堆積した泥砂が長い月日を経て固まり、プレートの衝突によって急速に隆起し、地表に露出した後、風化・侵食され、「月世界」のようになったものです。このタイプの泥岩は、岩質が弱く、セメント質が低く、浸透性に乏しいため、水に触れると軟化して濁り、乾燥するとひび割れて剥がれます。また、海底堆積物の塩分が高いため、植物が育ちにくい土壌です。地質条件に加え、気候も形成の重要な要因です。この土地は、7月から9月にかけて南西気流と熱帯低気圧の影響を受け、しばしば豪雨が降ります。露出した泥岩は雨に侵食され、斜面に沿って流れ下るため、斜面全体にガリが見られます。

泥岩は雨や河川によって侵食され、斜面に沿って流れ下り、表面が流出するため、山腹の地表にガリがよく見られます。植生が発達しにくい泥岩では水土保全が困難なのですが、土砂災害の問題が少ないのはなぜでしょうか。一般的に、土砂災害は分厚い土壌の含水率が高いことが原因であり、主に起伏の大きい丘陵地や山岳地帯で発生します。泥岩は浸透性が低く、地形の起伏が小さいため、土砂災害はあまり起こりません。その代わり、洪水や氾濫などの水害が発生しやすい地域です。

月世界周辺から車で30分以内の範囲に、泥火山などの地質がたくさん見られます。泥火山は月世界で最も代表的な風景の一つですが、すべての泥岩バッドランドに泥火山があるわけではありません。新しい時代の造山帯に位置していることが必須です。泥岩、水、天然ガスが存在するという条件に加え、断層帯にあることがとても重要で、泥を噴出させるのに十分な圧力を発生させることができます。月世界は丘陵地の断層褶曲帯に位置しており、厚さ約5000mにおよぶ堆積物の急速な堆積と、堆積後の急激な隆起が異常間隙水圧層とそれにともなう泥火山を形成したのです。