黒羽夏彦撮影
國立成功大學
国立成功大学
歴史と自然豊かな台湾南部有数の名門大学
国立成功大学の前身は、日本統治時代の1931年に設立された台湾総督府台南高等工業学校で、当時台湾での工業教育の最高峰でした。戦後、台湾省立工学院、台湾省立成功大学と名を変え、1971年から国立成功大学となりました。現在は9学部、多数の学科、研究センターを抱える総合大学となっています。台南駅のすぐそばにある広大なキャンパスは、緑も豊かで、学生だけでなく市民の憩いの場にもなっています。新しい学部、学科棟も多く建っていますが、日本統治時代に建てられた建物が現在も使われており、昭和天皇が皇太子時代に訪れた際に自ら植樹したガジュマルの樹が、勇壮な姿を見せています。
学びのポイント
広いキャンパスには何がある?
大学は台南郊外等にも研究機関がありますが、学生が主に学ぶのは台南駅前の大学本部です。広大なキャンパスは車道でブロックごとに区画され、それぞれ成功、光復、勝利、自強、成杏、力行、敬業、東寧と名前がついています。開学当初は現在の成功キャンパスに当たる部分だけでしたが、その後拡張されて現在の姿に至っています。自強キャンパスは理工系、勝利キャンパスは学生寮など、それぞれ特色があります。また、校内にはガジュマルだけなく、初夏に鮮やかな赤い花を咲かせる鳳凰木、木々の間をタイワンリスが自在に走り回るなど、自然があふれています。
国立成功大学ってどんな大学?
大学は台南郊外等にも研究機関がありますが、学生が主に学ぶのは台南駅前の大学本部です。広大なキャンパスは車道でブロックごとに区画され、それぞれ成功、光復、勝利、自強、成杏、力行、敬業、東寧と名前がついています。開学当初は現在の成功キャンパスに当たる部分だけでしたが、その後拡張されて現在の姿に至っています。自強キャンパスは理工系、勝利キャンパスは学生寮など、それぞれ特色があります。また、校内にはガジュマルだけなく、初夏に鮮やかな赤い花を咲かせる鳳凰木、木々の間をタイワンリスが自在に走り回るなど、自然があふれています。
校内に残る歴史
成功キャンパスには、古い建物が多く残され、今も現役で使用されています。また光復キャンパスでは、日本の「台湾歩兵第二聯隊」の営舎が歴史学科、インダストリアルデザイン学科等の学科棟として使われています。歴史学科棟のそばには、清朝時代の城門、城壁が移設展示されており、日本統治時代以前の台湾、台南の歴史を感じることができます。また、大通りを挟んだ力行キャンパスの台湾文学学科棟は、数棟の赤レンガ造りの平屋建てが渡り廊下でつながっています。戦前は陸軍病院、戦後も長い間病院として使われていたものです。清朝時代から、日本統治時代、そして戦後と、キャンパスを歩くと台湾の歴史が見えてきます。
さらに学びを深めよう
- 【事前学習】【事後学習】大学がある台南の歴史について調べてみましょう。
- 【現地体験学習】国立成功大学のキャンパスには、清朝時代の1775年に建てられた旧台南府城の城門が移築されています。小西門(靖波門)と呼ばれるその城門を探してみましょう。
- 【事後学習】国立成功大学の名前は「台湾の英雄」鄭成功の名前から取られています。台湾史上の重要人物である彼の活動、評価について調べてみましょう。
参考資料
台南の歴史については、大東和重『台湾の歴史と文化―六つの時代が織りなす「美麗島」』(中公新書、2020年)が台南を中心に台湾の歴史を論じています。「台南を見ると台湾がわかる」のはなぜか?SNET台湾のYouTube番組「台湾修学旅行アカデミー 第7回 台湾Area Studies~台南篇~」(講師:大東和重)も合わせてご視聴ください。日本統治期の学校生活については、鄭麗玲『躍動する青春――日本統治下台湾の学校生活』(河本尚枝訳、創元社、2017年)があります。
- 所在地
- 台南市東区大学路一号