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奇美食品幸福工廠

奇美食品幸福工場

食品の歴史を勉強しながら作って食べて楽しめる観光工場!

奇美食品幸福工場は、中華まんやパイナップルケーキで有名な奇美食品の運営する観光工場です。台南空港のすぐそばにあり、食品に関する学習ができるほか、中華まんの生産過程を見学することができます。また、タルトやパイナップルケーキ、ビスケットなどの製作体験(DIY)ができるのも魅力の一つです。奇美食品は、近くにある奇美博物館と同じ奇美実業企業グループの一員です。両方を訪問することで、奇美企業グループに貫徹する「幸福」の理念を皮膚で感じ取ることができるでしょう。

学びのポイント

奇美実業から生まれた奇美食品(非関連多角化)

奇美食品幸福工廠を運営する奇美食品は、台南生まれの実業家許文龍が、1960年に創業した奇美実業のグループ企業の一つです。奇美実業は品質の高いアクリル板の生産で世に頭角を現しました。アクリル板とは、コロナ禍の教室で、皆さんとお友達や先生の間に置かれる、透明で割れにくいあの板のことです。アクリル板の生産から始まった奇美實業は台湾経済の発展とともに化学工業、家電産業に進出し、博物館や病院の運営、食品事業へと事業の分野を広げていきました。経済発展の時代に特徴的な、次々と新しい事業に進出していく企業戦略を非関連多角化と言います。テレビにもパイナップルケーキにも同じ「奇美」の名前がついているのは、面白いと思いませんか。

奇美食品と冷凍食品

奇美食品の創業は1971年、調理済みウナギの冷凍製品の製造販売を手がけたのが始まりだと言います。ちょうど日本でも冷凍食品が普及し始めた時期にあたります。冷凍食品は防腐剤を使用することなく微生物が繁殖しない状態で食品を保存でき、冷凍車や船を使って輸送することもできます。台湾では肉汁たっぷりの餃子や肉まんは冷凍保存され、電気鍋で蒸して食べます。奇美食品は、1998年からスイーツも作り始めました。奇美ブランドのパイナップルケーキが有名です。お土産に探してみてください。

観光工場という事業

奇美食品は2015年に奇美食品幸福工場を開館しました。観光、ショッピング、レジャーの場であるとともに、館内で提供される食品のルーツを探り、原材料について理解し、製造過程を観察できる学習の場とすることが設立の目的です。本館には食品の安全や健康の概念について学ぶ「食育」の場として、文化物の展示や見学者が共に学べる設備があります。台湾には環境保護(環保)に積極的に取り組んでいる施設が多いですが、こちらの施設も各所に地球環境への負担を少なくする工夫がされています。ぜひ探してみてください。
さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】【事後学習】私たちの身近にある全く違う仕事(非関連多角化)をしているグループ企業について調べてみよう。(例:YAMAHA、ダスキンとミスタードーナッツ)
  • 【事前学習】【事後学習】スーパーマーケットなどで冷凍食品を調べてみよう。(どんな料理が冷凍食品に向いているだろうか、どんな意外な冷凍食品があるだろうか)
  • 【現地体験学習】見学ができる日本の工場と比べてみて、どこが同じでどこが違うのかまとめ、違う点についてはどうして違うのか考えてみよう。
参考資料
冷凍食品の歴史については、日本冷凍食品協会のウェブサイトやニチレイ「冷凍食品100年ヒストリー」を見てみましょう。呉杰、長内厚「創業者の個性と企業文化―台湾鴻海グループと奇美グループの事例」(『早稲田国際経営研究』第50号、2019年)には、奇美グループ創業者の考えが書いてあります。この文献は少し難しいので、公式ページの日本語版をおすすめします。

(國府俊一郎)

ウェブサイト
公式http://www.happychimei.com.tw/jp/
所在地
台南市仁徳区機場路1008号

特記事項
入場券:50元(DIYは別料金)
予約:DIYは事前予約必要(http://www.happychimei.com.tw/booking.php)
人数制限:なし。DIYは人数制限があります。
事前相談:不要。館内説明、DIYが必要であれば事前相談をしてください。
体験学習:DIYでスイーツを手作りすることができます。