台南市観光旅遊局提供

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德陽艦園區

徳陽艦園区

海から学ぶ台湾の歴史―徳陽艦園区・億載金城・1661台湾船園区

近年観光開発が進む台南の安平港には新旧様々なスポットが点在しています。徳陽艦園区では、2011年から退役軍艦「徳陽艦」が一般に公開されています。園区の向かいにある億載金城は、清朝が1886年に完成させた要塞で、海からの攻撃を防ぐために設置した大砲のレプリカが展示されています。隣接する1661台湾船園区は、2019年にオープンした新しい施設です。園内に展示されている「台湾船」は、台湾史上の重要人物である鄭成功が活躍した17世紀の帆船を復元したものです。4世紀におよぶ海にまつわる施設が並んでいるのも、台湾で最初に拓けた安平港ならではかもしれません。各施設を見学しながら、海から台湾の歴史を学んでみませんか。

学びのポイント

軍艦から学ぶ戦後の台湾

徳陽艦園区に展示されている徳陽艦は、1945年にアメリカで建造された駆逐艦Sarsfieldで、朝鮮戦争、ベトナム戦争などにも従軍、米軍からの退役後は中華民国に移管され「徳陽艦」と名づけられました。2005年に中華民国海軍から退役した後、2011年に安平港の岸壁に停泊する形で一般公開され、2015年には台湾初の軍艦博物館、徳陽艦園区としてオープンしました。海に浮かぶ軍艦に乗船して甲板上の装備や艦長室などを見学することができます。

台南市観光旅遊局提供

どうしてここに要塞をつくったの?

億載金城は、1874年の牡丹社事件をきっかけに海防の必要性を感じた台湾海防欽差大臣沈葆楨が清朝に建造を進言、1876年に完成した要塞です。空から見ると星形をしており、赤煉瓦の城門を備え、周囲に濠を巡らせて外敵の侵入を防ぐ構造になっています。億載金城の正式名称が安平大砲台、二鯤身砲台であることからもわかるように、メインはフランス人エンジニアが設計した台湾初の近代的な西洋式砲台で、海に向かって砲身4.6m、口径25.4㎝のアームストロング砲が五門設置されました。大砲はその後行方不明になり、現在展示されているのはレプリカですが、台湾近代化の端緒となったこの場所で、近代台湾の歩みを振り返ってみてください。

画像提供:sha-sha- / PIXTA

タイムトンネルをくぐって、400年前の世界へ

1661台湾船園区に展示されている「台湾船」は、長崎県の松浦史料博物館が所蔵する1713年~1775年の間に描かれたとされる『唐船之図』絵巻中の「台湾船図」を参照し、台湾の海洋史、造船史、造船エンジニアが協力して、2008〜2010年につくられました。船の骨格になる龍骨には、樹齢800年の欅など台湾産の各種木材が使用されており、実際に短い航海をしたこともあるそうです。船体を巡るように設置された螺旋状のスロープを使って乗船でき、各所の展示や解説によって、「台湾船」が活躍した大航海時代の台湾・台南の歴史を学ぶことができます。歴史を学んだあとは、舳先から見える安平港を眺めながら400年前の世界を想像してみてください。

鳳気至純平提供

鳳気至純平提供

さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】【事後学習】なぜアメリカの軍艦が台湾に移管されることになったのか、その背景について調べてみましょう。
  • 【事前学習】【事後学習】億載金城建造のきっかけとなり、近代日本と台湾の接触の始まりでもある牡丹社事件について調べてみましょう。
  • 【事前学習】【事後学習】17世紀の日本と台湾、特に長崎と台湾の関係について調べてみましょう。
参考資料
台湾の歴史を通史的に学びたい場合は、若林正丈『台湾――変容し躊躇するアイデンティティ』(ちくま新書、2001年)、大東和重『台湾の歴史と文化――六つの時代が織りなす「美麗島」』(中公新書、2020年)などが新書なので手に取りやすく便利です。また周婉窈『増補版図説台湾の歴史』(平凡社、2013年)もイラスト、写真が多く使われているので読みやすいです。

(鳳気至純平)

ウェブサイト
徳陽艦園区 http://www.teyang925.com.tw/

(中国語)


億載金城
台南旅遊網(台南市政府観光旅遊局) https://historic.tainan.gov.tw/index.php?option=module&lang=cht&task=pageinfo&id=59&index=5

(中国語・英語)


1661台湾船園区 https://taiwanwarship.tainan.gov.tw/

(中国語・英語)

所在地
徳陽艦園区:台南市安平区安億路115号
億載金城:台南市安平区光州路3号
1661台湾船園区:台南市安平区安億路139号