高雄本部(地球公民基金会提供)

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財團法人地球公民基金會

地球公民基金会

「地球市民」である私たちがすべきこと

2010年設立の地球公民基金会は、台湾で初めてクラウドファンディングによって成立した環境財団です。前身である地球公民協会(2007年成立)と台湾環境行動ネットワーク(1998年成立)の合併によりできた団体です。異なる2つの団体が、相互補完的な連携を図るため2010年に合併し、台湾環境運動の影響力拡大を目標に、地球公民基金会として再出発しました。
 地球公民基金会は、積極的な行動により、人と土地の調和関係を再建し、持続可能な社会を作り、台湾が「地球市民」としての責任を果たすことをビジョンとしています。活動内容としては、未来世代のより良い暮らしのため、現代における法律や政策、生活様式の改善を促すこと。また、環境問題の調査・研究・指摘を通して、解決できる方針を提示すること。さらには、書物の出版、イベントや講演会など、環境教育の普及活動を行っています。具体的には、自然環境の保護、環境汚染、気候変動、エネルギー移行、グリーン経済などのテーマに取り組んでいます。

学びのポイント

自然環境の保護

地球公民基金会は、台湾の自然環境保護を推進しています。不当な山地開発や林業政策を監視し、河川、湿地、農地の保護に努めています。具体的には、台湾の国土開発計画の動向を監視し、各地でワークショップや講演会を行って、国土開発計画への市民参加を促しています。また、鉱業法の改定、未認証工場およびそれにまつわる産業問題の研究に取り組んでいます。さらに、地域コミュニティ、山地農業、林業政策と先住民族の土地権利問題等を研究しています。近年の地球公民基金会の取り組みによって、台湾での森林破壊が数万ヘクタール減少、多くの山地、農地、海岸、湿地を守り、台湾国土の持続可能性に大きな貢献をしています。

地球公民基金会提供

エネルギー移行

3.11福島原発事故が発生し、私たちはエネルギー問題の現実を突きつけられました。私たちが当たり前に使っているエネルギーをつくることが、時には自然を再生不可能なまでに破壊し、人間自身にも危害を加えるのです。地球公民基金会は、こうしたエネルギー問題を直視し、エネルギー移行を推進しています。環境と調和できるエネルギーの使用を目標に、原発の廃止及び化石燃料発電の削減、また、人々がエネルギー政策にも参加できる、エネルギー民主主義を築くことを主張しています。
 日本の3.11福島原発事故は、同じく原発を持つ台湾に大きな衝撃を与え、それ以降、地球公民基金会は様々な場所で反原発を表明してきました。2013年3月9日には、地球公民基金会を含む多くの市民団体が「309脱原発デモ」を行い、22万人が参加しました。このように反原発の声は大きな民意として現れ、台湾政府は2014年に第四原発の稼働凍結を決定したのです。
地球公民基金会は、デモンストレーションを行うこと以外にも、民間の放射性廃棄物フォーラムを開催し、放射性廃棄物処理に関する民間と政府の対話を仲立ちしています。そのほかにも、国・地方政府のエネルギー移行を推進させ、その取り組みに民間からの参加を促す活動や、地球温暖化対策の活動などをしています。

地球公民基金会提供

さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】【事後学習】日本と台湾において、原発についてどのような議論があるか 調べ、比較してみましょう。
  • 【事前学習】【事後学習】台湾と日本は2050年までの「ネットゼロ」を宣言しています。「ネットゼロ」とは何か調べてみましょう。
  • 【事前学習】【事後学習】【事前学習】【事後学習】地球公民基金会は先住民族の土地権についても取り組んでいます。 アイヌをめぐる日本における先住民の土地権について調べてみましょう。
参考資料
環境問題に関する基礎知識は、 WWFジャパン(世界自然保護基金)のホームページを参考すると良いでしょう。近年台湾政府が取り組んでいる環境政策については、寺尾忠能「第1期蔡英文政権の環境政策――環境影響評価制度と大気汚染対策を中心に」 (『スクエア――世界を見る眼』、日本貿易振興機構アジア経済研究所、2020年)にて詳しく書かれています。台湾の先住民族についての基礎知識はインターネット上に多くあります。より専門的な先住民族の土地権利の文章として、石垣直「現代台湾の多文化主義と先住権の行方―<原住民族>による土地をめぐる権利回復運動の事例から―」(『日本台湾学会報』第9号、日本台湾学会、2007年)があります。

(小松俊)

ウェブサイト
公式 https://www.cet-taiwan.org/

(中国語・英語)

所在地
高雄本部:高雄市前金区中華四路282号5楼
台北事務所:台北市北平東路28号9楼の2
花東事務所:花蓮県花蓮市自由街150号6楼の3

特記事項
交流会:50人まで
環境問題小ツアー:20人まで