南鯤鯓代天府 南鯤鯓代天府(なんこんしん だいてんふ)

台湾の王爺信仰の総本山へ

台南市政府観光旅遊網図庫系統 郭英平撮影

台湾の「王爺のふるさと」として名高い南鯤鯓代天府は、1662年に創建されました。台湾各地の王爺信仰の本山として知られ、「王爺総廟」と呼ばれています。この地で行われる「五府千歳進香期」は、台湾で最大規模であり、多くの進香団(巡礼の団体)が訪れる祭りです。巡礼文化と芸能を奉納する儀礼の伝統が見られるもので、2013年に国の重要民俗文化財に指定されています。南鯤鯓代天府は東京ドーム約4個分に匹敵する約6万坪の広大な敷地を有しています。殿宇は、三川殿、正殿、後殿によって構成される九開間三進両廂と呼ばれる建築様式です。日本統治期に、伝説的宮大工、王益順が手がけ、伝統的な閩南建築の様式が維持されており、台湾の建築史において日本統治期を代表する寺院の一つに数えられています。南鯤鯓代天府は1983年に国定古跡に指定されています。

学びのポイント

王爺はどんな神様?

王爺は台湾ではとても人気のある神様で、台南に王爺信仰文物館があるほどです。王爺にはいくつかのルーツがありますが、南鯤鯓代天府の主祭神は五府千歳と称され、李大亮、池夢彪、呉孝寛、朱叔裕、范承業の五人の唐朝功臣が神格化された神様です。この五府千歳は、南鯤鯓代天府のみならず台湾各地の廟でも祀られていますが、こちらが台湾最古だと言われています。

金銭壁が表す意味は?

南鯤鯓代天府の正殿の後ろ側の壁は、金銭の細かな彫刻が施されていることから「金銭壁」と言われています。この壁面は日本統治期の1926年に南鯤鯓代天府を再建した時、離島澎湖の西嶼庄内塹宮の信者たちが船で咾咕石(サンゴ礁の化石)を運搬し寄贈したもので、サンゴ自体もとても縁起のいいものですが、中央の正方形に六角形を組み合わせ八角形を構成した「八卦亀錦紋」と呼ばれる吉祥文様になっています。金銭壁の右下には「大正丙寅年(1926年)澎湖郡西嶼庄内塹宮敬献」と記されており、台湾本島と澎湖との歴史的な背景および王爺信仰と庶民の生活が密接につながりながら発展して来たことを物語っています。

さらに学びを深めよう

  1. 【事前学習】【事後学習】南鯤鯓はどんな場所だったでしょうか。
  2. 【事前学習】【事後学習】台湾の民間信仰の祭神について調べてみましょう。
  3. 【現地体験学習】金銭壁と銘文「大正丙寅年(1926年)澎湖郡西嶼庄内塹宮敬献」を探してみましょう。

参考資料

台湾の神々については、高橋晋一著『台湾 美麗島の人と暮らし再発見』(三修社、1997年)の第5章「神様、この人間的なるもの」、第6章「神・鬼・人のコミュニケーション」に簡潔な紹介があります。 また、王爺信仰については、三尾裕子「<鬼>から<神>へ : 台湾漢人の王爺信仰について」(『民族學研究 』55(3)、243-268頁, 1990年)も参考しましょう。

( 林承緯)

ウェブサイト
公式 http://www.nkstemple.org.tw/ 内政部「台湾宗教文化地図」の「南鯤鯓代天府」には詳細な紹介があります。https://www.taiwangods.com/html/landscape_jp/1_0011.aspx?i=73#c3https://www.taiwangods.com/html/landscape_jp/1_0011.aspx?i=73#c3 交通部観光局https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003016&id=6167 台南旅遊網(台南市政府観光旅遊局) https://www.twtainan.net/ja/attractions/detail/5014
所在地
台南市北門区976号