國立臺灣史前文化博物館 南科考古館 国立台湾史前文化博物館 南科考古館

台湾史の新たな見方を教えてくれる考古学博物館

国立台湾史前文化博物館提供

国立台湾史前文化博物館南科考古館は、台南に2019年に開館した国立博物館です。台湾最大の考古学遺跡である台南科学工業園区遺跡(以下、南科遺跡)から発掘された考古学資料とそれらから明らかにされた台湾の考古学文化を展示しています。博物館全体は、(1)出土資料の編年展示と解説、(2)資料の分析から推定される当時の生活の様子の等身大復元展示、(3)考古学資料の研究のプロセスの3つの展示場で構成されています。また、出土品の整理作業をガラス越しに見学することができ、整理作業を行っている人に備え付けの電話機で質問などをすることもできます。可動式のミニシアターや実際に手に取れるハンズオン展示もふんだんにとりいれられ、屋外には製糖の作業所である糖廍や製糖の道具である石車の再現展示が設けられています。

学びのポイント

台湾史をかえる大遺跡

南科遺跡は台湾の光産業を中心とした第二科学工業園区の建設地である台南の緊急発掘でその全貌が明らかとなった遺跡です。総発掘面積は約3万2,800㎡に及び、近隣地域も含め30遺跡が南科遺跡群として確認されました。集落跡、墓地跡からは人骨と副葬品、石器、土器、動物の骨や貝を材料とする利器、動物遺存体、イネやアワの炭化種子を含めた植物遺存体が、比較的新しい時代の層からは青銅器、鉄器、ガラス製品、磁器等が出土し、それぞれの遺跡の継続年代を合わせることによって、遺跡群全体として4800年前から300年前までの文化層がほぼ連続するかつてない遺跡となりました。

重要な立地

南科遺跡のすぐれた点のなかでも特に注目すべきことは、その立地です。対岸の中国大陸側との交渉が直接あった地域であり、台湾への人やものの移動は南科遺跡が窓口になっていた可能性が高いことを示しています。台湾への人やものの移動の基点となった可能性の高い南科遺跡は、台湾考古学を考える基点ともなりうる遺跡です。

考古学のイメージが変わる!

博物館の展示の特徴は、南科遺跡から何が見つかり、どのように研究され、それらからどのような過去の姿がわかったかを、順序よく明確に来館者に伝える工夫がなされていることです。最新の考古学資料の分析の様子も展示されており、研究を身近にすることにも力を注がれた、台湾の新たなスタイルの博物館です。

さらに学びを深めよう

  1. 【事前学習】【事後学習】台湾の考古学年代を整理して、日本の歴史時代と比較してみましょう。
  2. 【事前学習】【事後学習】中国で稲作がはじまった時代と、日本に稲作が伝わった時代、台湾に稲作が伝わった時代を比較してみましょう。

参考資料

国立民族学博物館のフォーラム型情報ミュージアムデータベースは先住民族も含めた台湾の物質文化を調べる手がかりをあたえてくれます。南科考古館については、YouTubeのSNET台湾チャンネル「おうちで楽しもう台湾の博物館」第5回「国立台湾史前文化博物館」で、台東の国立台湾史前文化博物館の康楽本館および卑南遺址公園の紹介に続いて、6分55秒より紹介されていますので、参考にしてみてください。SNET台湾のYouTube番組「台湾修学旅行アカデミー 第7回 台湾Area Studies~台南篇~」(講師:大東和重)でも「台南を見ると台湾がわかる」という視点から、南科考古館も紹介しています。合わせてご視聴ください。

(野林厚志)

ウェブサイト
公式https://www.nmp.gov.tw 台南旅遊網(台南市政府観光旅遊局) https://www.twtainan.net/ja/attractions/detail/5725
所在地
台南市新市区南科三路10号