大稲埕台湾料理研習所提供

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大稻埕台灣料理研修所

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大稲埕台湾料理研習所

グルメのかげに歴史あり、台北最古の問屋街でおいしい文化体験

台湾料理研習所は、台北で最も古い問屋街である迪化街の一角にあります。クッキングスタジオは歴史ある建物を改装したもので、趣ある雰囲気の中で文化体験ができます。料理教室では、小籠包やルーロー飯、牡蠣のオムレツなど、代表的な台湾グルメの作り方が学べます。エプロンも貸し出してくれるため、手ぶらで立ち寄れるのも魅力の一つでしょう。同研習所では、①台湾牛肉麺コース、②ルーロー飯コース、③小籠包コース、④ローカル朝ごはんコースなどから参加したいコースを選びます。また、2020年7月に始まった「許願料理 Wish Cooking」というサービスを選べば、作りたい料理をリクエストできます。

学びのポイント

赤レンガと水運の街?

台北最古の問屋街である大稻埕は、かつてと呼ばれた地区の一角でした。清朝末期から日本の植民統治期にかけて、大稲埕は淡水河における水運の中継地となり、商業地区として繁栄しました。大稲埕埠頭は、現在はその役目を終えましたが、残された水門に当時の面影が残っています。迪化街の代名詞でもある赤レンガ造りやバロック建築の豪奢な建物は、当時の裕福な商人たちがこの街に集っていたことを現在に伝えています。

台湾料理って何だろう?

台湾料理とは、17世紀以降に福建省南部の泉州や廈門から台湾へと移住した閩南系の人々の郷土料理を土台とし、台湾の風土や食材に合わせて変容したものです。戦前、大稲埕を代表する酒楼(台湾の料亭)であった江山楼の主人・呉江山も、「台湾料理とは中華料理に由来しながらも、台湾の風土や慣習の影響を受けたことで、台湾料理は台湾料理であるとしか言いようのない特色ある料理となった」と述べています。また、客家料理や様々な先住民料理も台湾料理を構成する要素として、忘れてはならないでしょう。植民統治期の日本料理の影響や1949年以降中国大陸から流入した150〜200万人超の々の郷土料理の影響もあります。台湾料理の背後には、台湾が経験してきた複雑な歴史があるのです。

大稲埕台湾料理研習所提供

   

レトロで新しい?

近年の迪化街は、歴史ある建物をリノベーション(改修)し、おしゃれなカフェや雑貨屋として再生させるムーブメントの只中にあります。例えば、迪化街最古の伝統建築といわれる「林五湖本館」や老舗乾物店だった「富自山中」は、それぞれ茶葉店と台湾食品店として生まれ変わりました。一方、大稲埕三大廟の一つである慈聖宮では昔ながらの屋台体験ができます。廟の前には屋台が軒を連ね、台湾料理の醍醐味でもある小吃が楽しめます。

さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】【事後学習】大稲埕の飲食文化について調べてみましょう。(キーワード: カフェー、お茶貿易)
  • 【現地体験学習】【事後学習】台湾料理を作って、味わってみましょう。あなたが作った台湾料理は、どのようなルーツを持つのか、調べてみましょう。
参考資料
台湾の飲食文化については赤松美和子・若松大祐編『台湾を知るための 60 章』(明石書店 、2016年)の第44章「飲食文化」に、台湾料理については大岡響子(2018.04.14)「『台湾料理』は何料理?」 に詳しい説明があります。大稲埕を舞台にした映画『大稲埕』(邦題:『ピース!時空を越える想い』)では、大学生の主人公が1920年代の台北へタイムスリップし、様な歴史的事件を目の当たりにします。台湾の美食や食文化について楽しく学ぶには、映画『恋恋豆花』や『總舖師』(邦題:『「祝宴!シェフ」』)がおすすめです。また、一青妙のエッセイ『私の箱子』『ママ、ごはんまだ?』には、家庭の中での調理・食事風景が描かれています。

(大岡響子)

ウェブサイト
公式https://cooking101.tw
所在地
台北市迪化街一段 221号
特記事項
要予約。日本語開講のクラスもあり、1レッスン2時間。人数に応じてレッスン料は変動 する。最大25名まで。問い合わせは、Facebookの公式ページのMessengerを介して行うの がスムーズです。