士林は淡水河支流の基隆河の船着き場に近く、船による交易の拠点のひとつでした。この地で大稲埕、萬華(艋舺、万華)等の内陸から船で運ばれてきた物や、近くでとれた農産品などの交易が盛んにおこなわれていました。やがて慈誠宮前の広場にそれらの品を集め、市場が形作られました。台湾の行政機関だった台湾総督府は衛生環境の向上のため公設市場の建設をすすめ、1913年、士林に公設市場が開かれたのです。
赤松克之提供
士林はかつて平地の先住民族の住む土地で、清代に移住してきた漢民族が蘭を栽培したので、八芝蘭、蘭林などと呼ばれました。また淡水河支流の基隆河、外双渓があり、船
による交易の拠点のひとつとして古くから栄えていました。陽明山を有する士林には温泉やハイキングコースもあり、また国立故宮博物院や台北市立天文科学教育館、国立台
湾科学教育館などの施設も多く、観光客のみならず、台北に住む人々にとってもレジャースポットとして人気の高い街です。
台湾の多くの夜市では、朝になると野菜や肉を売る朝市が開かれ、朝と夜で異なる顔を見せます。 ひとつの売り場をシェアして朝と夜とで店を入れ替えているからです。朝は主婦やレストランの店主が食材を買いに訪れ、夜は学校や仕事帰りの人が夜ご飯を食べに立ち寄ったり、観光客が遊びに来たり、朝と夜とではあつかわれる商品も訪れる客層も違います。