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國立台灣博物館 古生物館

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国立台湾博物館 古生物館

台湾を代表する銀行から歴史の語り手へ

国立台湾博物館には、本館以外にも、古生物館、南門館、鉄道部園区と多様な展示スポットがあります。古生物館、南門館、鉄道部園区はいずれも台湾の経済を支えた場所を再利用したという共通点があります。古生物館は、日本勧業銀行台北支店があった場所で、現在の博物館の建物は、日本統治時代の1933年に造られたものです。戦後は、台湾土地銀行として2007年まで利用されました。修復を経た後、2010年から道路の反対側にある台湾博物館の分館、古生物館(土銀展示館)として、コンクリートで造られた重厚な建物を活用し、銀行時代の歴史と三葉虫や恐竜などの古生物を中心に展示、紹介を行っています。

学びのポイント

コンクリートの巨大な建築は銀行の象徴

国立台湾博物館古生物館は、台北駅と二二八和平公園の間、国立台湾博物館本館の向かい側にあります。南に行けば台湾銀行や総統府がすぐ近くにあります。台北駅から総統府の周辺は、かつてはたくさんの日本人が住み、百貨店や商店の集中する繁華街であり、行政の中心でした。現在でもたくさんの店や銀行があります。古生物館の建物は、もともと日本勧業銀行として1933年に建てられたものです。日本勧業銀行は、東京に本店を置く日本の銀行で、台湾における日本の不動産事業や水利事業を支援るために、台北と台南に支店を設置しました。

1930年代、これら台湾の2つの支店は当時としては新しいコンクリートで造られました。ギリシア・ローマ風の巨大な円柱が目立つ神殿のような外観は、当時の流行を反映しています。二二八和平公園の南にある台湾銀行も1937年に建てられ、やはりギリシア神殿風のデザインが取り入れられています。現在ほど大きなビルがなかった約80年前、神殿のようなビルは銀行の堂々とした雰囲気を象徴し、人々を驚かせたでしょう。

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金庫のなかで「銀行」を学ぶ

古生物館は、古生物に関連する展示だけでなく、建物を生かした銀行に関連する展示も魅力です。戦前、戦後を通じて銀行として利用された歴史を、残された資料から見ることができます。なかでも1階に残された大金庫からは、この銀行の役割がつよく感じられます。鉄で覆われた金庫の中には、当時のままの棚が残され、思ったより広い空間には銀行時代の資料が展示されています。

2階にも戦後の土地銀行時代の歴史や土地政策に関する展示があります。中華民国政府は、日本の農地改革と同様に、大地主の所有する土地を小規模な農家に売却する土地改革を台湾で行いました。土地銀行は、土地改革に関わる業務を担当したため、これらの資料も展示されています。またここは台湾で二番目にクーラーが設置された建物であり、かつて使用されたクーラーを見ることができます。約90年前の最先端ビルで銀行や土地に関する歴史を学べます。

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大きなホールに恐竜の化石

国立台湾博物館古生物館は、その名のように現在では古生物を中心とした展示がされています。植物や古生物に関する展示は本館にもありますが、ここでは化石や模型を間近で見ることができます。大きなホールには恐竜やゾウ、クジラといった大型の動物の化石や模型が展示され、とても目立ちます。ほかに、たくさんの植物や昆虫など小型の生き物の化石や模型も展示されています。なかでも注目したいのは、台湾にかつて生息していた動植物に関する展示です。300万年前から1万年ぐらい前まで、台湾と中国大陸は陸続きで、その頃多くの動物が中国大陸から台湾へやって来ました。この博物館では、台湾やその周辺で発見された、今では台湾には生息していない生き物についても展示しています。古生物に興味がある方はぜひ一度見てみてください。

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さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】【事後学習】日本統治期の鈴木商店の破綻(若槻礼次郎内閣の総辞職に繋がる)と銀行のかかわりについて調べてみよう。
  • 【事前学習】【事後学習】戦後の土地改革について調べてみましょう。
  • 【現地体験学習】台湾にどのような古生物がいたのか確認してみましょう。
参考資料
戦前、戦後の政治と経済については、赤松美和子、若松大祐編著『台湾を知るための60章』(明石書店、2016年)、伊藤潔『台湾:四百年の歴史と展望』(中公新書、1993年)があります。土地改革については、専門的な論文が多いです。例えば、松田康博「台湾における土地改革政策の形成過程」『法学政治学論究』(第25号、1995年)、北波道子「戦後初期台湾の農地改革と四大企業払下げについて」『関西大学経済論集』(第67巻第4号、2018年)などが参考になるでしょう。また、映像を通して理解するには、SNET台湾チャンネル「おうちで楽しもう台湾の博物館」第1回 国立台湾博物館 がお薦めです。

(松葉隼)

ウェブサイト
公式https://www.ntm.gov.tw/jp/content_172.html 台北旅遊網(台北市政府観光伝播局)https://www.travel.taipei/ja/attraction/details/907
所在地
台北市中正区襄陽路25号