義美は日本統治時代に設立され、戦後台湾の経済発展とともに企業として成長し、国際化しながら、変化する台湾消費者のニーズに応えてきました。それができた要因としては、「食品産業は誠実であり、良心的でなければならない」という企業理念のもとで、台湾の人々の嗜好の変化のみならず、社会、文化、環境など食文化をとりまく幅広いテーマに関心を持ち続けてきたことが挙げられるでしょう。また、台湾内でのコンビニエンスストアとの協力、マクドナルドなど国際的な外食チェーンとの協力など、その時々のトレンドにあわせて販売経路を拡大してきたことも重要です。
創業当初に使われていた木型(義美食品提供)
義美の商品や販売方法の変遷、事業内容の拡大などを見ていくと、台湾人の食生活の変化を知ることもできます。博物館では、婚礼や祭祀などで好まれる伝統的な中華菓子から始まった義美の看板商品が、徐々に現代的なパイナップルケーキ、さらにはクッキーなどへと変化していった様子、同じ商品でも時代によってパッケージが変わっていたことなどを知ることができます。また、近年では核家族化や健康志向などにあわせた商品が好まれていることもわかります。さらに、義美の事業内容がサプリメントなどにも及んでいることも、台湾人の食生活の変化をあらわしています。
パッケージの変遷(義美食品提供)