上水流久彦撮影

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迪化街 台北霞海城隍廟

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迪化街 台北霞海城隍廟

新旧文化が混じったレトロでモダンで、歴史を感じるストリート

迪化街は、台北市の大同区、淡水河の近くにある、民権西路交差点から南京西路交差点までの南北約1キロの通りです。このあたりは、19世紀半ばに台北市南西部の萬華から移り住んだ漢人がつくった地域で、昔は大稲埕と呼ばれていました。清朝時代には中国大陸との交易の拠点として栄え、最盛期にはジャンク(木造帆船)がここまで入ってきていました。現在は、布地、漢方薬、乾物、なまこ等の高級食材、タピオカの原料などが売られる問屋街で、日本統治期の建築物が改修されたモダンなレストランやショップがある通りでもあります。迪化街の南端近くには、結婚や恋愛成就にご利益があると人気の台北霞海城隍廟があります。

学びのポイント

庶民の暮らしが垣間見える迪化街

ショッピングモールや超高層ビル、マンションが多い台北市東部に比べると、西部は1960〜70年代に建てられた建物が多く、東部とは異なる台北の姿を見ることができます。人々の生死や地域の安寧を司る城隍を祀る廟があり、台湾の美食を支える高級食材や乾物の問屋が軒を並べ、カラフルな布地や竹細工を売る店などもあります。土産物店と飲食物店ばかりがある観光街とは異なる台湾の風情を感じられます。

洪淑芬提供

多く残る近代建築物

乾物や高級食材を売る商店とともに、近代建築物も多くあります。現在、これらはカフェやレストラン、オリジナルグッズを売る店などになっています。日本統治期、現在の迪化街を含む大稲埕には、交易で巨額の利益を得た人々が住み、店や住居として洋風建築物を建てました。それらの建築物の中には、老朽化のため長年使われていないものもありましたが、2000年前後から台湾で古い建築物の再建・整備が進められ、迪化街の近代建築物も整備されるようになりました。

現世利益も重要な台湾の宗教

宗教というと死後の安寧を願うことと思うかもしれません。しかし、台湾では、現世のご利益も大事です。家庭円満、財運アップ、健康維持、子宝など、それぞれの願いに対応する神がいます。台北霞海城隍廟に祀られている月下老人は、台湾では恋愛・結婚成就に最も霊験がある神として絶大な人気を集めています。日本と同様に少子化や晩婚化が進む台湾ですが、恋愛・結婚を願う人々が多いという面もあります。

洪淑芬提供

さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】【事後学習】台北霞海城隍廟にはどのような神が祀られ、それは台湾 の歴史とどうかかわっているでしょうか。台北霞海城隍廟を手がかりに探ってみましょう。
  • 【事前学習】【事後学習】台北霞海城隍廟に祀られている月下老人は、縁結びの神 様と言われていますが、台湾の結婚事情はどうなっているでしょうか。少子化もあるので しょうか。ネットなどで台湾の状況を調べて、日本と比較してみましょう。
  • 【現地体験学習】日本統治期に建てられたと思われる建築物がこの通りにはいくつあ るでしょうか。そしてどう利用されているでしょうか。まとめてみましょう。
参考資料
現代の台湾の宗教については、赤松美和子・若松大祐編『台湾を知るための60章』(明石書店、2016年)の第47章「宗教」を、宗教と関わる習慣については、同書第48章「年中行事」に詳しい紹介があります。また、台湾のあの世とこの世については、若林正丈編『もっと知りたい台湾 第二版』(弘文堂、1998年)の「宗教」を読んでみましょう。台北市内の日本統治期に建てられた建築物や台北の歴史については、片倉佳史著『台北・歴史建築探訪―日本が遺した建築遺産を歩く』(ウェッジ、2019年)で紹介されています。日本の統治期については、『台湾を知るための60章』の第9章「日本統治時代をどう捉えるか?」からまずは読んでみましょう。少子化等については、『台湾を知るための60章』の第36章「社会保障・福祉・少子高齢化」が参考になります。


(上水流久彦)

ウェブサイト
公式http://tpecitygod.org/hot-news.html 交通部観光局https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003090&id=238 台北旅遊網(台北市政府観光伝播局)https://www.travel.taipei/ja/attraction/details/781
所在地
台北市大同区迪化街1段61号