婦女新知基金会提供

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婦女新知基金會

婦女新知基金会

戦後台湾女性の権利とジェンダー平等運動を牽引した女性団体のフロントランナー

婦女新知基金会の前身は婦女新知雑誌社です。1982年設立の婦女新知雑誌社は、ジェンダー平等に関心を持つ女性たちが台湾で初めて立ち上げた雑誌社で、雑誌『婦女新知』は、西洋フェミニズムの名著の翻訳、女性の権利に関連する法律や法案に関する議論、国内外の女性運動の動向の報道やその他家事分業、育児、労働などにおけるジェンダー問題などについて、ジェンダー意識の向上を目指して発信してきました。民主化後は、資金を調達するために婦女新知基金会として改組され、女性団体として、女性たちの権利やジェンダー平等の推進に積極的に寄与していきました。1980年代から90年代にかけて、多くのテーマ型女性団体が発足していきますが、創立当初の組織や人的資源には、婦女新知基金会の影響がみられます。

学びのポイント

女性のための「家庭問題についての法律無料相談ホットライン」

婦女新知基金会は、1994年に女性のための「家庭問題についての法律無料相談ホットライン」を開設し、離婚、親権、夫婦の財産、DVなど、家庭内の問題を抱える女性たちに法律や訴訟の手続きについての情報を提供するサービスをしています。最近最も多い相談内容は離婚についてです。その他、法律についての不満も多く寄せられており、こうして集められた民意も、婦女新知基金会が法律改正を推進していくための一助となっています。

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世論で政府を動かす様々なキャンペーン戦略

婦女新知基金会はフェミニズム運動を促進するために様々な活動戦略をとっています。民主化以前は雑誌の発行や座談会の開催など比較的穏健な方法を中心としていましたが、中絶の合法化のために、立法院で条件付きの中絶を認める「優生保健法」審議が行われた際には、婦女新知はロビー活動を行ったり、女性たちを組織して立法院の傍聴席に動員したりしました。民主化後、社会運動やデモなどの抗議活動が急増し、フェミニズム運動もさらに活発になっていきます。婦女新知は法案を起草するほか、憲法訴訟の手法により法律の改正を進め、デモや抗議活動も行っています。

女性の権利に関する多くの法律改正に尽力

婦女新知が民主化後に着手した重要な法律の案件には、民法親属編の改正や、性別平等工作法、DV防止法、セクシュアルハラスメント防止法等の制定があります。民法親属編の改正は台湾フェミニズム運動において画期的な出来事で、もともと父権/夫権が優先だった法律を、例えば、子どもの監護権、親権、子どもの姓、夫婦の住所、夫婦の財産などについて男女同等の権利を享受できるように改正しました。「性別平等工作法」は、職場での性差別を防止し、雇用主が結婚や妊娠を理由に女性を解雇する「独身条項」「妊娠条項」を禁止するとともに、職場でのセクハラを防止しました。また、家に法律を持ち込むことを嫌がる伝統的な考え方も女性たちがDVから逃れられない状況を作っていましたので、婦女新知は「DV被害者サポートチーム」を作った他、DV防止法の制定にも尽力し続け、アジアで初めてDV防止法を制定しました。最近も、婦女新知は公的ケアと長期的ケアの問題に引き続き取り組み、同性愛人権団体とともに同性婚合法化にも協力しました。

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さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】フェミニズムとは何でしょうか。フェミニズム運動とはどんな運動でしょうか。調べてみましょう。
  • 【事前学習】婦女新知基金会のウェブサイトをみてみましょう。あなたはどんなジェンダーの問題に興味がありますか。調べてみましょう。
  • 【事前学習】【事後学習】日本で長い間フェミニズム運動に取り組み、女性の権利のために尽力してきた組織を探してみましょう。それらの組織と婦女新知が取り組んでいる問題の類似点、相違点はなんでしょうか。
参考資料
台湾のフェミニズム運動の発展については、台湾女性史入門編纂委員会編『台湾女性史入門』(人文書院、2008年)で詳しく紹介されています。台湾のジェンダー問題についてさらに学びたい方は、野村鮎子‧成田靜香編『台湾女性研究の挑戦』(人文書院、2010年)を読んでみましょう。

(戴靖芸)

ウェブサイト
公式https://www.awakening.org.tw/

(中国語・英語)

所在地
台北市中山区龍江路264号

特記事項
事前要予約、上限は20人。