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婦女救援基金會 阿嬤家-和平與女性人權館

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婦女救援基金会 阿嬤の家 平和と女性人権館 

少女売春と人身売買の被害者を救うために

1980年代頃の台湾では、伝統的な家族観により、子どもは親の所有物とされ、経済的な事情で、多くの少女が親によって身売りされ、性産業に従事させられました。 1980年代から1990年代にかけて盛んになったフェミニズム運動は、女性の身体と性の自己決定権についての思想の影響を受け、廃娼、反ポルノを主張し、深刻な少女買春問題に目を向け、少女たちに法的支援とシェルターを積極的に提供するなどの救援活動を展開しました。
少女たちの救援活動をより組織的に行うために、1987年に婦女救援基金会が設立され、青少年を保護し青少年の福祉を促進する「青少年福祉法」及び児童や青少年が性的に搾取されることを防止する「児童及び青少年性行為防止条例」等、児童や青少年を性的搾取や家庭内暴力から保護するための法律の立法化に尽力しました。最近では、同意なく投稿、拡散された動画などによるデジタル性暴力被害にも注目しています。婦女救援基金会は台湾の女性と児童の権利を守り、性暴力やDVなどに反対する重要な組織であるといえます。

学びのポイント

国際的問題としての女性の人身売買

人身売買は、現在台湾に限らず深刻な人権問題になっています。グローバリゼーションと国家間の移動の増加に伴い、女性と児童の自由と安全の保障はますます重要になっています。 婦女救援基金会は、女性や児童の身の安全を守ることを目的として救援活動に積極的に取り組み、これまで性産業に従事する台湾人少女たちを救援してきました。現在は、グローバル化により東南アジア、中国などから台湾に人身売買された少女たちも救援の対象にしています。
1980年代、台湾での女性の人身売買は非常に深刻な状況で、大多数は先住民の少女たちでした。先住民たちは経済的に恵まれず、救済のための政策も不十分であったため、その少女たちが犠牲となりました。そのため婦女救援基金会は早くから先住民の少女たちを救援の対象とし、彼女たちが自立して社会生活が送れるようにサポートしました。 経済の発展に伴い、台湾内での人身売買の問題はほぼなくなりましたが、代わりに東南アジア諸国や中国の少女たちが台湾の性産業に売られるという国境を越えた人身売買が問題化しました。婦女救援基金会は国境を越えた人身売買に終止符を打ち、台湾に売られてきた外国人の少女たちを助けるとともに、警察などと協力して専門的なアドバイスを提供しています。

台湾籍慰安婦の人権運動のパイオニア

日本の衆議院議員伊藤秀子は、1992年、日本の防衛研究所図書館で台湾籍慰安婦の存在を示す資料を発見しました。婦女救援基金会は、直ちに慰安婦問題についてのホットラインを設置、台湾籍の慰安婦の調査を開始し、59名の慰安婦を探し出しました。さらに婦女救援基金会は、支援と交流を通じて彼女たちの過去の傷を癒すために「心理療法ワークショップ」を行いました。また、婦女救援基金会は元慰安婦が日本政府に賠償を求める訴訟を起こすにあたって協力、2016年には「阿嬤の家-平和と女性人権館」を設立し、元慰安婦たちの物語を記録しています。

「阿嬤の家-平和と女性人権館」(婦女救援基金会提供)

さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】かつて日本に支配された国に「慰安婦」が存在したかどうか調べてみましょう。
  • 【事前学習】【事後学習】人身売買はなぜ重要な女性の人権問題なのでしょうか。世界で毎年何人ぐらいの女性たちが人身売買の被害に遭っているでしょうか。調べてみましょう。
  • 【事後学習】台湾籍元慰安婦が日本政府に賠償を求めた裁判の結果はどうだったでしょうか。また、日本政府の立場はどうだったでしょうか。判決の理由はどんなものだったでしょうか。調べてみてください。
参考資料
台湾女性史入門編纂委員会著『台湾女性史入門』(人文書院、2008年)のⅢ. 女性運動では、「8. 戦後の娼妓政策と廃娼問題」「9. 『慰安婦』問題」の2つの章とコラムで、台湾の娼婦の問題や慰安婦問題について詳しく紹介しています。「女性・戦争・人権」学会学会誌編集委員会編,相方未来著「海外報告 台湾・阿媽の家を訪れて : 元「慰安婦」サバイバーたちの物語と創作物に見る彼女たちの力と日本の国家責任」は、「阿嬤の家―平和と女性人権館」と日本政府の慰安婦問題に対する責任について分析しています。台湾における「慰安婦」をめぐる議論については、三澤真美恵「現代台湾「慰安婦」言説の整理―2001 年論争以前」(『中国語中国文化』第18号、2021年)を読んでみましょう。

(戴靖芸)

ウェブサイト
公式https://www.twrf.org.tw/

(中国語・英語)

所在地
台北市大同区承徳路三段32号5F

特記事項
2週間前までに電話で予約し申込書に記入してください。
訪問は5人以上に限ります。
訪問時間は30分から2時間です。