九二一地震教育園區 九二一地震教育園区

自然の脅威を語り継ぐ震災遺構

伊藤大輔提供

1999年9月21日未明、台湾中部の南投県を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、台湾各地で大きな被害が生じました(921大地震)。その被害を象徴するものとして、台湾政府は台中市霧峰区の光復中学の震災遺構を保存し、付近に博物館を建設することを決定しました。その遺構と博物館を併せた施設が「921地震教育園区」と名付けられ、一般に公開されています。

学びのポイント

自然災害の脅威を再認識しよう

無残に倒壊した校舎と大きく盛り上がったグラウンドが何を物語るかは、ひと目見れば何も説明されなくともわかるでしょう。また、博物館内にも、中国語が読めなくとも理解できるような展示が数多くあります。地震災害は日本で暮らすわたしたちにとっても決して他人事ではなく、いつか同様の被害に遭う可能性は十分にあります。そのことをしっかりと認識しましょう。

伊藤大輔提供

国境を越えた協力

921大地震の際には日本から救助隊が派遣されています。一方、2011年の東日本大震災の際には台湾から日本に多大な援助がありました。他国が災害やその他のさまざまな問題で苦しんでいるのを目にした場合、わたしたちは何をすべきでしょうか。また、何ができるでしょうか。一度じっくりと考えてみましょう。

歴史を語り継ぐこと

辛い出来事について後世に語り継ぐことには痛みが伴います。地震の犠牲者の遺族の中には、地震について語られたり、その遺構を見せられたりするのが苦痛だという人もいるかもしれません。また、遺構の保存にはそれなりのコストがかかります。そうしたマイナス面もあり得る中で、あえてこのような施設をつくることにはどのような意義があるか、考えてみましょう。

さらに学びを深めよう

  1. 【事前学習】【事後学習】自分がもしこのような地震災害、さらには他の自然災害に襲われたらどのように行動すべきか、また日頃からそのような災害に備えて何をすべきか、具体例を出しつつ議論してみましょう。
  2. 【事前学習】【事後学習】これまでに、自然災害の際に日本が他国を支援した例、また逆に日本が他国の支援を受けた例にはどのようなものがあるか調べてみましょう。
  3. 【事前学習】【事後学習】台湾政府がこのような施設をつくることを決めたのはなぜか、議論してみましょう。

参考資料

台湾の921地震については、李登輝『台湾大地震救災日記』(PHP研究所、2000年)で詳し知ることができます。東京大学地震研究所地震予知情報センターウェブサイトには、台湾地震に関する国内外の情報がまとめられており、1999年9月21日台湾中部の地震の概要、および写真集が掲載されています。また、日本地震学会広報誌『なゐふる』(第18号、2000年3月)は、台湾地震特集です。専門的ですが、中筋章人、谷内正博、佐野正明、塚本哲、藤原賢也「1999年9月 台湾大地震(集集地震)による被災概況」(『応用地質』41(3), 2000年、155-164頁) が大変詳しく921地震の被害状況を整理しています。

(伊藤大輔)

ウェブサイト
公式https://www.nmns.edu.tw/park_921/ 交通部観光局https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003112&id=A12-00015 台中市政府観光旅遊局https://travel.taichung.gov.tw/ja-jp/Attractions/Intro/926/
所在地
台中市霧峰区坑口里新生路192号