中華民國交通部觀光局提供
國家台湾美術館
国立台湾美術館
台湾で唯一の国立美術館
国立台湾美術館の見どころはなんといっても、日本統治期以来の台湾人画家の作品が数多く収蔵、展示され、実際の作品を見ながら台湾美術史の理解を深められるところです。1988年に台湾省立美術館という名称で開館、1999年に現在の名称に改称した台湾で唯一の国立美術館です。敷地面積は10万平方メートル、建物の総床面積は約4万9604平方メートルで、美術館としては台湾最大規模を誇ります。美術園道という景観ゾーンが隣接し、北側には科学博物館があり、台中で最も芸術、文化の雰囲気が溢れるエリアに位置します。2004年のリニューアルオープンに伴い、展示、収蔵、保存などが一新しました。明・清朝から現代の台湾美術まで、ほかにアジア諸国や世界の近現代美術も収集、展示しています。これまでに1万6000点以上のコレクションを収蔵しています。館内では定期的に国内外の芸術作品を展示、すでに1000回に近い展示と関連イベントを開催しています。
学びのポイント
国立台湾美術館で最も有名な作品は?
国立台湾美術館には、李梅樹、廖繼春、洪瑞麟、陳澄波、楊三郎、郭雪湖、林之助、顏水龍、李石樵、陳進、李澤藩、林玉山、林之助など、日本統治期を生きた台湾近現代を代表する画家の代表作が収蔵されています。それぞれの名作を追うことで、台湾の近現代の芸術・文化史と、社会変容とのかかわりが見えます。
林玉山の代表作は?
林玉山(1907-2004)が1930(昭和5)年の台湾美術展覧会(第4回)で特選を受賞した「蓮池」は、台湾初の国宝に指定された絵画作品です。故郷、嘉義の牛稠山にある蓮花池をモチーフとし、きらめく光の中で美しく咲き誇る蓮の花を描いた作品で、林玉山の代表作です。
台湾美術史を彩る名作の数々
陳澄波の「嘉義遊園地(嘉義公園)」と「淡水風景」、林之助の「朝涼」などの名作を収蔵しています。陳澄波(1895-1946)は日本統治期に活躍した代表的な洋画家の一人です。公学校で石川欽一郎に写生と水彩画を習った後、東京美術学校に留学、1926(大正15)年に、台湾人画家として初めて、油彩「嘉義の街はずれ」が帝展(第7回)に入選しました。故郷と名所淡水を描いた風景画の作品「嘉義遊園地(嘉義公園)」(1937)と「淡水風景」は、陳澄波が技法や画風を開拓し成熟させた名作です。林之助は帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)の日本画科で学び、昭和15年(1940)には「紀元二千六百年奉祝展覧会」に入選しました。「台湾膠彩画(日本画)の父」と呼ばれ、入選作「朝涼」は、国立台湾美術館で最も人気の高い展示品のひとつとして、人々に愛されてきました。
さらに学びを深めよう
- 【事前学習】【 事後学習】陳澄波「嘉義遊園地(嘉義公園)」(1937)に描かれている嘉義公園のスポット紹介を見てみましょう。
- 【事前学習】【 事後学習】陳澄波がどんな人物だったか、彼の作品や社会運動を中心に調べてみましょう。
- 【現地体験学習】国立台湾美術館の建物に見る「モダン」モチーフを探してみましょう。
参考資料
森美根子『日本統治時代台湾 語られなかった日本人画家たちの真実』(星雲社、2017年)、美術フォーラム21刊行会編集『美術フォーラム21 第26号 特集:中国と東アジア――近代のコレクション形成と研究の背景』(美術フォーラム21刊行会、醍醐書房、2012年)、松下倫子など編『台湾の近代美術―留学生たちの青春群像(1895-1945)』(印象社、2016)。陳澄波については、財団法人陳澄波文化基金会編『陳澄波全集』(藝術家、2018年)、柯宗明『陳澄波密碼』(遠流出版社、2018年)がおすすめです。