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高美濕地

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高美湿地

海と夕日と風車が望める河口

高美湿地は、台湾中部の重要河川大甲渓の南岸にあります。もともとは日本統治期に開かれた高美海水浴場でした。戦後も引き続き海水浴場として利用されましたが、1967年に高美灯台が建造された時が、観光地としての人気のピークでした。その後、十大建設の一つとして台中港が建設されると土砂が堆積し、次第に今日の姿になり、1976年には海水浴場が閉鎖されました。その後、火力発電所建設の候補地にもなりましたが、住民の反対等により建設は中止されました。二十数年以上の休息期間を経て、豊かな生態資源と多様な渡り鳥の生息地として、再び注目を集めています。高美湿地ではイセウキヤガラという水草が台湾では最大規模で生息し、ほかの生物たちに必要な養分や環境の源になっています。秋や冬の乾季には、この水草は、渡り鳥が餌を探したり身を隠したりするのに適した場所をつくり、高美湿地の生物の多様性を育むことにも貢献しています。湿地には木道があり、環境を破壊することなく、シオマネキなどの生物を間近に見ることができます。木道を歩いていくとビーチに着き、水遊びや潮干狩りもできます。夕日や風力発電の風車が織り成す特別な光景を遠くから眺めるのも一興でしょう。専門ガイドを事前に予約することも可能です。

学びのポイント

どんな鳥を観察できますか?

カラシラサギ、 ヨーロッパチュウヒ、ミサゴ、タマシギ 、 コアジサシといった希少鳥類が生息し、絶滅危惧種のクロツラヘラサギやアカモズの姿も見られます。

風車大通り?

電気事業への参入規制が緩和され、いわゆる電力自由化になった後、1990年代にある民間企業がこの地で火力発電所建設を計画します。しかし、近くの大肚渓の河口にはすでに台中火力発電所がありました。当時、台中火力発電所近くの龍井地区の住民たちは、「白いシャツを着て出かけると帰宅する頃には黒いシャツになっている」と冗談を言うほどで、近隣の住民も呼吸器系の病気を患った人が多かったため、建設予定地近くの清水地区と梧棲地区の住民たちは海渡発電所建設に反対しました。それでも、この計画は環境アセスメントの評価を受けました。しかし、最終的には会社の資金計画がうまくいかず、建設には至りませんでした。この空いたスペースには、思いがけないことに、その後、台湾電力によって風力発電所が建設され、偶然にも高美湿地の風車と夕日の絶景を造り出すことになります。

湿地の危機?

木道は観光と生態保護のバランスをとるために造られましたが、近年、木道が高美湿地の土砂の堆積を促していると指摘する専門家もいます。さらに懸念されるのは、台中港北部の防砂堤の影響で湿地が陸化していく傾向があることです。干潟の生物の様相は、徐々に変化し続けています。たとえば、イセウキヤガラの分布領域が縮小し、葦やスパルティナ・アルテルニフロラなどの陸上植物へと変わっています。岸近くのトビハゼの生息地は、乾燥した環境により適応するシオマネキに占拠されつつあります。
さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】【事後学習】湿地保全の必要性や重要性について調べてみましょう。
  • 【事前学習】【事後学習】あなたが住む地域からもっとも近い湿地について調べてみましょう。
  • 【事前学習】【事後学習】日本の全発電量に占める電源構成、および自然エネルギー、風力発電の割合を調べてみましょう。また、他国とも比較してみましょう。
  • 【現地体験学習】木道から、生物を観察、記録してみましょう。
参考資料
日本のエネルギーについては、経済産業省資源エネルギー庁のウェブサイトに掲載されている 日本のエネルギー 2019年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」を見てみましょう。環境省のウェブサイトには、生物多様性の観点から重要度の高い湿地(略称「重要湿地」)が整理されており、地図や都道府県別に検索できます。

(陳威志)

ウェブサイト
公式 https://hocom.tw/web/Home/index?key=69442570 交通部観光局 https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003112&id=5647 台中市政府観光旅遊局 https://travel.taichung.gov.tw/ja-jp/Attractions/Intro/910/%E9%AB%98%E7%BE%8E%E6%B9%BF%E5%9C%B0
所在地
台中市清水区美堤街8号
特記事項
ガイド要予約 (高美湿地ビジターセンター)