ガラス館の館内(國府俊一郎氏提供)

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臺灣玻璃館

台湾ガラス館

ガラスでつくられた媽祖廟にガラス産業と台湾人の芸術意識を感じよう

彰化浜海産業園区という工業団地の一角に、大きな鹿のモニュメントが置かれた場所があります。一見すると大きな倉庫ですが、実はそこが台湾ガラス館です。台湾ガラス館は、2006年にガラス生産大手の台明將企業と10社のガラス家具企業が設立したガラス工芸展示館です。台明將企業は1943年創業の地元老舗企業です。台湾ガラス館では、台湾の精緻なガラス芸術と台湾文化の雰囲気を感じることができ、吹きガラスやカップ作成を体験できます。また、館内の大きなフードコートではコーヒーや台湾の食事を味わうことができます。展示館のそばには、ガラスで造られた媽祖廟があり、夕方から夜にかけては幻想的なイルミネーションで装飾され、フォトジェニックなスポットとしても現地でも人気です。

学びのポイント

彰化浜海産業園区(鹿港区)とは

台湾の経済部産業園区管理局が管轄する72の工業団地の一つで、彰化県北西部に位置する鹿港鎮の沿岸部、鹿港老街から西に車で10分程度、鹿安橋を渡った埋立地に広がる工業団地です。彰化浜海産業園区は台湾中部地域の工業発展を目標として1979年に開発工事が始められましたが、度重なる延期を経て、1992年から本格的に造成されました。工業団地は南北12km、総面積は3643haで、三つの区画に分かれ、台湾ガラス館は、そのうち最も南の「鹿港区」に位置します。彰化浜海産業園区は、工場だけでなく教育やレジャーの場の提供も目的としており、台湾ガラス館以外にもいくつかの工場見学ができます。

台湾ガラス館のギャラリーを見学、体験しよう

台湾ギャラリーでは、台湾の動植物や台北101などの建築物をモチーフとしたガラス工芸品を鑑賞できるほか、「黄金のトンネル」などガラスと光とテクノロジーを駆使して造られた煌びやかな異空間の体験もできます。台湾ガラス産業のさまざまな技術と芸術感覚に触れるとともに、台湾文化の雰囲気を楽しむことができます。

台湾唯一のガラスの媽祖廟(台湾護聖宮)

台湾ガラス館の隣にある「台湾護聖宮」は、彰化浜海産業園区を守護する目的で、2007年に着工し、2013年から一般公開されている廟です。建物の大部分のほか、媽祖像もガラスでつくられているため、「ガラス媽祖廟」の名前で知られています。廟の内側には水が湛えられ、夕方から夜になるとライトアップされたガラスの媽祖像や吊り灯籠が水面に映えて美しい光景を演出しています。台湾の企業家は信心深い一面を持っており、企業施設の中や隣に道教や仏教などの廟や祠が設けられていることが多々あります。企業見学をする際にはよく探してみてください。

ガラスの媽祖廟(國府俊一郎氏提供)

さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】住んでいる地域に近い工業団地について、どの時期にどのような目的で設立されたのか、調べてみましょう。
  • 【現地体験学習】ガラス工芸に関するDIYを受講してみましょう。
  • 【現地体験学習】ギャラリーや廟を参観する中で、台湾の工芸や建築物の特色についてまとめましょう。
  • 【事後学習】ガラスギャラリーや媽祖廟の写真を再度検証し、そのほかの見学地点も含め、台湾らしさを感じた点を具体的に書き出してみましょう。それらの特徴がどの国の工芸品や建築物と比較して際立っているのかを考えてみましょう。
参考資料
カキの養殖(広島)についての詳しい説明は、こちらこちらのウェブサイトをご覧ください。国土交通省(日本)による観光漁業の取り組み事例資料も参考になります。 さらに専門的知識を深めたい人は、中華民国経済部投資業務所・野村総合研究所(台湾)『ジャパンデスク』の「台湾の工業団地について」を読んでみましょう。ガラス製造の歴史については、黒川高明『ガラスの技術史』(アグネ技術センター、2005年)で体系的にまとめられれています。

(國府俊一郎)

ウェブサイト
公式 https://www.timingjump.com.tw

(中国語)

交通部観光署 https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003113&id=A12-00287
彰化旅游資訊網(彰化県政府城市暨観光発展処) https://tourism.chcg.gov.tw/AttractionsContent.aspx?id=74&chk=6678beed-6e1e-42d5-899b-62e34a3a757f&l=JP
所在地
彰化県鹿港鎮鹿工南四路30号

特記事項
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