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臺灣書旅

台湾を知るためのブックガイド

(台北駐日経済文化代表処台湾文化センター 2022年)

TAIWAN bunko REVIEW

ナビゲーター

劉彦甫

時代が変わった!!

『臺灣書旅—台湾を知るためのブックガイド』が出ることを聞いた時、私は甘く見ていた。「どうせ最近流行りのよくある台湾関連の本を数冊だけ紹介しているパンフレットみたいなものだろ」と。しかし、それは大きな間違いだった。約400冊の本が29名の一流の専門家によって丁寧に解説されていたのだ。私はこの本を手に取った時に思わず叫んでしまった。「時代が変わった!!」
長らく台湾関連の本は日本社会で一般的ではなかった。書店で「中国」「韓国」がひとつのコーナーとして整理された棚がある一方、台湾関連の書籍は「中国」コーナーに含まれるか「アジア」や「歴史」などの各分野のコーナーに分割されて置かれることが多かった。
台湾生まれの私は2000年に父の仕事の関係で長崎県佐世保市に引っ越して、そこで小学校から高校まで過ごした。成長するにつれ、自分の出自や生まれた場所について知りたいと思うようになったものの、日本語で台湾を知る術はかなり限られ、苦労した。ちなみに、佐世保の書店にあった台湾関連の本の大半は観光・旅行ガイドだった。
そもそも台湾への関心が日本で高くなかったため、台湾を取り上げる本も少なければ取り扱う書店も多くなかったのだ。それが気づけば、多くの人たちに紹介できる本が400冊もあり、ブックガイドまでできるようになった。『臺灣書旅』はまさに時代の変化を感じさせる画期的な1冊なのだ。

台湾本選びはぜひこれで!

『臺灣書旅』で紹介されている本の出版年を見ると、多くが2010年代、とくにその後半(2015年以降)のものだ。紹介するならば新しい本をというのは自然な感覚であるものの、やはり台湾への関心がこの10年の間にかつてなく高まった結果、出版される本や書き手が増えたことが一番の要因だと思われる。
 比較的最近出版された本が多いというのは、言い換えると台湾についての新鮮な情報を体系的に得られる本がたくさんあるということである。台湾についての話題が増えている中、もっと台湾を知りたいと思う人も増えてきた。一方で、何を読めばいいのか、どういう本があるのかわからないというのも事実。これまであまり台湾についての本が多くなかったために、紹介できる人もまだ多くない。そんな時こそ『臺灣書旅』を開けば、政治や経済など硬派なテーマから文学や食事など台湾を身近に感じられる内容まで、知りたい分野に合わせた読みたいと思う適切な本に出会うことができるだろう。
 かくいう私も自分の専門に関する本ばかり読んでいるので、政治経済や日台関係の本はたくさん知っているものの、文学や食に関するこんなに多くの本がすでに日本で出ていたことを『臺灣書旅』を読むまではちゃんと把握できていなかった。この本は自分が知らない世界に誘ってくれ、新たな本との出会いにわくわくドキドキするきっかけにもなる。
 先日、久々に佐世保に戻ってみたら書店には台湾本のコーナーができていた。うれしかった半面、中学生・高校生の時だったら、どの本を選べばいいか悩んだことだろうと思った。台湾に関する本選びのお供にぜひ『臺灣書旅』を!