正門(Chang-Jr Lin氏提供)
國立臺灣師範大學附屬高級中學
国立台湾師範大学附属高校
勉強も部活動も全力で―自由闊達な青い空の申し子
国立台湾師範大学附属高校(師大附中)は、台湾を代表する進学校の一つであり、自由を重んじる校風で知られています。学業と部活動の両立を大切にし、のびのびと学べる雰囲気があります。同校は1937年に台北州立第三中学校として創設されました。戦後、台湾省立台北第三中学校、すぐのちに台湾省立台北和平中学校と改称されました。当時は、台湾に留まった日本人生徒を受け入れていましたが、日本人の引き揚げ完了後に、和平中学校をいったん閉校、1947年に台湾省立師範学院附属中等教育学校(中学部と高校部を含む)として再度開校され、1979年に現在の校名となりました。「能K能玩(よく学びよく遊べ)」を掲げる師大附中は、学びと部活動の両方を重視して、師範大学附属校ならではの実験教育にも取り組んできました。部活動や自治会の伝統が強く、主体的に活動する文化が根づいています。生徒に居心地のよい環境で、個性を自由に伸ばせることが、強い愛校心に繋がっています。
学びのポイント
台湾最先端の実験教育
戦後、台湾省立師範学院(のちの国立台湾師範大学)の附属校となった本校は、最先端の実験的な学びを進める拠点として発展してきました。例えば、男女別学が当たり前だった時代に教育実験として共学クラスを導入し、台湾で男女共学が広がる以前から「進学校には珍しい共学校」として知られていました。さらに、時代の変化に即して多様な実験クラスを試み、現在は音楽、美術、理系、言語の4つの専門クラスが設置されています。また、師範大学附属校ならではの強みとして、教育実習生のフレッシュな知識と熱意が授業に新しい刺激をもたらしています。
自由と自治を重視するリベラルな校風
師大附中の生徒は「能K能玩」を誇りにしています。日中戦争中に中国でリベラルな大学教育を受けていた校長と教員によって、戦後、生徒の自主性を大切にする伝統が根づきました。部活動からは、華語圏でトップクラスのロックバンド五月天(Mayday)、お笑い芸人・俳優の納豆など、各分野で活躍するアーティストを多数輩出しています。1990年代からは生徒会に「生徒の権利」を担当する部署が設けられ、校則に関する生徒アンケートや、教員と学生が意見を交わす座談会を定期的に行っています。さらに、パーカー、バッジ、鞄などの限定グッズの企画から制作、毎年テーマが変わるダンスパーティーや卒業式の運営と、提案から実行まで生徒が担うのが本校のスタイルです。自分たちの手で新しい伝統をつくる――それこそが師大附中の伝統です。
学内のオールジェンダートイレ(Chang-Jr Lin氏提供)
強烈な愛校心と結束力
師大附中は生徒の自主性を大切にしつつ、個人主義ではなくチームワークを重んじる学校です。広いキャンパスには青空が広がり、生徒と卒業生は自分たちを「青い空の申し子(藍天之子)」と親しみを込めて呼んでいます。開校以来、すべてのクラスに通し番号が付与されており、在校生・卒業生ともに自分の在籍クラスの番号に強い愛着を持っています。2年生校舎の赤い鳳凰の壁飾り、校庭に置かれた机と椅子のアート作品、地下鉄直結の出入口に掲げられた木製の校章など、キャンパスの風景は生徒と教員が一緒につくり上げてきたものばかりです。なかでも毎年の卒業式では、キャンパスがまるでテーマパークのように変身します。それは魔法ではなく、推薦入学などで早めに進路が決まった数百名の卒業生たちが、数ヶ月かけて準備する手づくりの演出――愛校心と結束力の結晶です。
さらに学びを深めよう
- 【事前学習】あなたの高校には、行事、シンボル、校内アートなど、どんな「伝統」がありますか。いつ、なぜ始まったのか、現在の生徒にとっての意味を調べてみましょう。
- 【事前学習】あなたの高校の生徒や卒業生は、どんな形で学校への愛着を表していますか。過去のエピソードや最近の取り組みを調べ、写真や資料があればまとめてみましょう。
- 【現地体験学習】師大附中の生徒に、最近の自主的な活動や新しいアイデアについて聞いてみましょう。
参考資料
戦後の台湾からの引揚者に関して、林初梅・石井清輝・所澤潤編著『日台のはざまの引揚者たち: 国境の再編と移動・再出発』(三元社、2025年)があります。師大附中校友会デジタルアーカイブ『HSNU Alumni』では、過去の学校新聞、同窓会報、各時代の校章や学校・クラスの旗などが閲覧できます。また、師大附中は5年ごとに校史特集号を刊行しています(『75年記念特集(2022年)』)。いずれも中国語ですが、写真などから師大附中の歴史とキャンパスライフの様子がわかります。
SNET台湾では、師大附中のキャンパスライフの様子がわかる創作卒業ソング「青空の向こうへ」(日本語字幕付き)を配信しています。また、Amazonミュージックなど音楽配信サービスで、師大附中出身のアーティストの五月天(Mayday)、蘇打緑(ソーダグリーン)の作品が配信されています。YouTubeで配信中の五月天の「而我知道(And I Know)」のミュージックビデオは、師大附中での甘酸っぱい青春を描いています。ぜひ音楽とビデオを通じて同校の自由な雰囲気を感じてみてください。
- ウェブサイト
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公式https://www.hs.ntnu.edu.tw/
(中国語・英語)
- 所在地
- 台北市大安区信義路三段143号
- 特記事項
- 高校は一般公開されていません。同校との交流を希望される場合は、事前に、直接同校、またはSNET台湾事務局にお問い合わせください。
