田尾公路花園入口(彰化県政府提供)

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田尾公路花園

田尾公路花園

植物の栽培から販売まで一貫して行う花と緑のテーマパーク

彰化県のやや南東に位置する田尾公路花園は、観賞用の植物を育てる花卉(かき)栽培地として有名です。縦貫道路が走る員林から田尾までの地域は、気候、土壌、水利ともに花卉栽培に適しており、その恵まれた環境を生かして日本統治時代から生産が始まりました。彰化県の花卉栽培面積は台湾全土の花卉栽培面積の38%を占め、台湾産花卉の約半数は、彰化県の田尾を中心として永靖、溪州、田中、埤頭などの地域で栽培されています。そのためこの地域は、「花の故郷」という愛称で知られています。田尾公路花園は、道路に沿って全長3.6km、園内にあわせて200以上の栽培業者が存在し、主に鮮花、鉢花、盆栽、園芸資材、苗木栽培の5つのカテゴリーを取り扱っています。田尾公路花園は1973年に完成し、台湾で最初の園芸観光区に指定されました。

学びのポイント

150以上の花屋が集まる花卉生産地

気候が温暖で花の栽培に適している田尾地区は、もともと花の生産農家や卸売業者の集積地でしたが、園芸観光区に指定されてからは、観光スポットとしても発展を遂げてきました。各生産者が小売りもできるように店舗を改造したことで、この一帯は、花屋がひしめきあう大きな商店街を形成しています。そのほか、地元で採れるフルーツを生かしたアイスクリームなどの販売、家庭で観葉植物や多肉植物の栽培を楽しみたい顧客向けにDIY体験を提供するガーデニング用品店、花屋に隣接した特色あるカフェなどもあります。この商店街は大変広く、車やレンタサイクルで移動し、お目当ての花屋さんをはしごしながら観光を楽しみます。田尾公路花園は花卉生産地であると同時に、卸売や小売りも兼ね、新たな観光客を呼び込む工夫が進められています。

田尾でよく栽培される花は

田尾では電照菊の栽培が大変盛んです。彰化県の菊の生産量は台湾全体の菊生産量の94%を占め、そのうち70%が田尾地区で栽培されています。電照菊とは、日照時間が短くなると花を咲かせる菊の特性を利用して、人工的に光を当てて開花時期を遅らせる方法で栽培された菊のことです。電照栽培を行うことで、年間を通して安定した出荷が可能になります。菊の最盛期は10月から3月で、この時期は夜に員林から中沙大橋まで高速道路を走ると、煌々とした明かりが灯るエリアを一望できます。光に照らされた風景は、ドライブを幻想的に演出します。台湾での菊は日本と同様、お悔やみの意味を持ち、通常は葬式などで用いられることが多い花です。

電照菊の様子(彰化県政府提供)

さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】【事後学習】台湾で栽培されている最も代表的な花は何でしょうか。
  • 【事前学習】【事後学習】台湾で栽培される花のうち日本へ輸入されている花は何でしょうか。
  • 【事前学習・事後学習】田尾のほかに台湾で有名な花市場はどこでしょうか。
  • 【現地体験学習】どのような花が売られているか、日本と比べてみましょう。
参考資料
田尾公路花園に関しては、小林憲一郎「新時代のタウンマネジメントと商店街活性化(12)台湾の同業種集積商店街―高雄の『三鳳中街』商店街と台中の『田尾公路花園』商店街」『専門店』第601号、2000年12月、24-27頁があります。台湾の花卉産業については、張瓊方「台湾の花が世界を彩る――花卉産業の今後」で詳しく紹介されています。台湾の花文化についてはJenna Lynn Cody「台湾の習慣を知る 祝花の常識」を読んでみましょう。

(福田栞)

ウェブサイト
彰化旅游資訊網(彰化県政府城市暨観光発展処) https://tourism.chcg.gov.tw/AttractionsContent.aspx?id=7&chk=02d9d045-486c-4325-9d3c-a22b2aea5983

(中国語)

所在地
彰化県彰化市田尾郷民族路一段156号