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霹靂社
霹靂社 布袋劇スタジオ
進化し続ける台湾人形劇「布袋劇」の映像制作現場
18世紀以降、中国大陸からの移民と共に台湾に伝わり、台湾の庶民に愛されてきた伝統人形劇「布袋劇」。台湾の街角や廟、公園などで楽しむことができる布袋劇は、時代と共に人形のサイズや構造、音楽、物語、手の動きを含む操演手法など様々な面で改革が行われてきました。霹靂社は、布袋劇文化の担い手として、長年にわたり、観客が楽しめる作品を制作している台湾を代表する企業です。朝8時より夜中の25時(1時)半まで毎日、布袋劇ドラマの制作が進められており、毎週60分のドラマシリーズを2本、DVDやネット配信で届けています。2016年にスタートした日台合作布袋劇シリーズ『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀(とうりけんゆうき)』の撮影も行われており、生の布袋劇の撮影現場を間近に体験できます。
学びのポイント
布袋劇とは
「布袋劇」は台湾語で「ポテヒ」と言い、またの名を「掌中劇」とも言います。その起源は17世紀の福建の漳州、泉州に遡ることができます。布袋劇の演出は、人形操演師が片手で一つの人形を操る形式で、布で作られた袋状の人形に似ていることから「布袋劇」の名が付けられたと言われています。全長24cmほどの人形の顔や手足は木で彫られており、口白師(講談師)が声を当て、演出します。また、布袋劇の特徴として、中国の伝統芸術の8大要素、文学、哲学、説書(講談)、彫刻、詩、絵画、音楽、演劇を含んでいることが挙げられます。
新時代の布袋劇映像制作
1970年代に一世を風靡し、97%という驚異の視聴率を叩き出したとも言われる国民的テレビ番組『雲州大儒俠』シリーズを機に、台湾の布袋劇は、神様に捧げる野外舞台のライブ演出方式から一気にテレビメディアを通して楽しむ娯楽へとシフトしました。霹靂社はテレビ番組の制作のみではなく、布袋劇映画の制作も行い、布袋劇映像制作の刷新を絶え間なく進めています。オリジナルストーリーを創作する脚本家、人形操演師、口白師(アフレコ)、人形や武器、セットなど大道具を制作するスタッフ、美術デザイナー、監督、カメラマン、照明、編集、音響、CGスタッフなど映像制作に関わる人材を社内で育成しており、スタジオを訪れれば、布袋劇制作に関わる各部署の舞台裏を直に体験できます。
さらに学びを深めよう
- 【事前学習】【事後学習】 雲林布袋劇黄家二代目、人間国宝・黄海岱の時代の布袋劇・黄家三代目黄俊雄が創作し、大人気となった金光布袋劇シリーズ、黄家四代目黄強華、黄文擇兄弟がスタートさせた霹靂布袋劇シリーズなど、布袋劇は時代の変化に合わせてどのような進化を遂げてきたのか、調べてみましょう。
- 【事前学習】 日台合作布袋劇シリーズ『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』企画がどのような経緯で立ち上がり、著名な脚本家、小説家である虚淵玄(ニトロプラス)と霹靂社の取り組みがどのようなものであったか、虚淵玄氏のインタビューや【ひとくちFebri】Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀、【ひとくちFebri】Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2などの電子書籍で調べてみましょう。
参考資料
霹靂社に関する参考書籍として、「霹靂盛典」など数々が台湾で出版されていますが、残念ながら日本語に翻訳された書籍はありません。以下のウェブサイトの紹介記事やテレビ番組から、霹靂スタジオの雰囲気を感じてみてください。
田中美帆「台湾のものすごい人形劇が日本で映画に!日本とのコラボが生み出す新たなコンテンツ」、 國興衛視「台灣好吃驚 第33集 獨家!布袋戲片場大解密!(びっくり台湾 第33回 独占!霹靂スタジオの秘密大公開!)」 。布袋劇を例とするコンテンツ産業において日本と台湾の共同制作の可能性については、佐藤幸人 「第17回 「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」考――日本企業と台湾企業が手を組んで生み出した新しいエンターテイメント」 『IDE スクエア』(2021年)に詳しいです。。日台合作布袋劇シリーズ 『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』公式ウェブサイト も見てみましょう。
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