車籠埔断層保存園区提供

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車籠埔斷層保存園區

車籠埔断層保存園区

トレンチから活断層を見る、地震活動の歴史を知る

1999年9月21日午前1時47分に台湾中部で発生した集集大地震(921地震)は、過去100年間に台湾で起こった最も深刻な自然災害の一つです。災害後、政府は車籠埔断層の地震履歴研究チームを立ち上げ、2002年に南投の竹山地域で調査を実施しました。その結果、トレンチの掘削から、集集大地震による地表トレースの原状が保存されていることがわかりました。さらに、トレンチの断面にも明確な褶曲や断層構造が見られ、これは複数の地震によるものであり、世界でも非常にまれな地質景観であることから、貴重な研究データ・景観として保存することになりました。本園区は2002年に開園し、隣接する生態公園および921地震教育園区とともに、地質・自然生態学園区となっています。

学びのポイント

断層トレンチ保存館

台湾はプレート境界に位置しており、造山帯でもあります。このため、一定期間内に活断層が活動し、集集大地震のように地表に亀裂が生じ、重大な被害をもたらす地震がしばしば発生します。過去の地震の痕跡を見るには、トレンチを掘る必要があります。断層トレンチ保存館では主にトレンチの断面を保存、展示しています。プロジェクションマッピングによりトレンチの断面から車籠埔断層の地質構造を理解し、科学的なインスピレーションを得ることができます。

陳麒文提供

地質科学館

地質科学館には地質科学のテーマに基づいた豊富で多様な展示があります。車籠埔断層の活動により、長さ約92キロメートルにわたって地表が割れ、台湾中部に深刻な影響を与え、地形も大きく変化しました。その車籠埔断層が発見された過程と命名の理由、および関連する地質学研究が紹介されています。また、化石やトレンチの剥ぎ取り標本の展示など、プレートテクトニクスと地質学の研究成果も学ぶことができます。そのほか、台湾の貴重で歴史的な地震計と史料も展示されており、インタラクティブな施設や地震の記録とその科学的原理の説明を通して、地震監視および警報技術の進化が理解できます。
さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】日本でも地震がよく起こります。震源地の断層の特徴・種類などを調べてみましょう。
  • 【現地体験学習】断層トレンチ保存館にある車籠埔断層トレンチのサイズ・掘削過程を見てみましょう。
  • 【現地体験学習】車籠埔断層の活動履歴を調べてみましょう。
参考資料
車籠埔断層保存園区へようこそー|紹介フィルム[日本語]を見てみましょう。車籠埔断層については、太田 陽子、松多 信尚「台湾,車籠埔断層中部,「921地震教育園区」付近に おける地震断層とその活動の累積性について」(『活断層研究』2009 巻 31 号)に詳しく説明されています。太田陽子「台湾における活断層の地形学的研究と課題―最近10年にかかわってきた研究を中心に―」(『活断層研究』2010年第32号)では日本とも比較しながらよりわかりやすく紹介されています。 さらに専門的知識を深めたい方は、英語論文ですが、Wen-Shan Chen;Chih-Cheng Yang, I-Chin Yen, Long-Sheng Lee et al. (2007) “Late Holocene Paleoseismicity of the Southern Part of the Chelungpu Fault in Central Taiwan: Evidence from the Chushan Excavation Site.” Bulletin of the Seismological Society of AmericaSearch, Vol. 97, No. 1Bを読んでみましょう。

(陳麒文)

ウェブサイト
公式 https://www.nmns.edu.tw/park_cfpp/

(中国語・英語)

所在地
台湾南投県竹山鎮集山路二段345号

特記事項
開園時間:09:00~17:00
休館日:月曜日・旧暦の大晦日