台湾修学旅行アカデミー by SNET台湾 第15回 台湾人物伝~李登輝編~ 前原志保(九州大学)

2022年12月4日

第15回のゲストは九州大学の前原志保先生。


前原先生のご専門は政治学で、台湾を中心にナショナル・アイデンティティ、ジェンダーをめぐるポリティクスを研究されています。学士号をカナダのブリティッシュコロンビア大学、修士号を英国のリーズ大学、博士号を国立台湾大学で取得された国際派の台湾研究者で、現在は九州大学台湾スタディーズ・プロジェクトで、台湾を学ぶ魅力的な講座を次々と企画されています。


今回は、「台湾人物伝」と題して、1988年から2000年まで台湾の総統を務め、台湾の民主化を牽引した李登輝氏を掘り下げます。台湾出身者として初めて中華民国総統となった李登輝は、台湾をいかなる共同体として(再)定義しようとしたのか。前原先生は李登輝の政治演説を子細に分析し、そこに表象されるナショナル・アイデンティティを考察した論文で、国立台湾大学の博士号を取得した李登輝の専門家です。海外政治家として日本でも抜群の知名度を誇る李登輝の人物像、日本・海外での李登輝の評価、多言語話者としての李登輝など、一時代を築いた政治家について興味深いお話をうかがいました。


前原先生のプロフィールは、以下のページをご覧ください。


【プロフィール】 https://researchmap.jp/shiho214shiho


前原先生の李登輝に関する著作には、以下の英語論文があります。 Shiho Maehara(2017) “Lee Teng-hui and the formation of Taiwanese identity.” J. Bruce Jacobs, Peter Kang (Eds.) Changing Taiwan Identities. Taylor and Francis. また、蔡英文の自伝と関連書籍の監訳者も務めています。


蔡英文『蔡英文―新時代の台湾へ』(白水社、2016年) 蔡英文著、劉永毅構成『蔡英文自伝:台湾初の女性総統が歩んだ道』(白水社、2017年)


九州大学台湾スタディーズ・プロジェクトの市民に向けた企画については、以下の報告に詳しく書かれています。 前原志保(2022)「市民に向けた実践─九州大学台湾スタディーズの取り組み─」『日本台湾学会報』第24号