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國立台灣博物館 本館

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国立台湾博物館 本館

台湾最初の公立博物館

台湾の自然史、考古学、先住民を対象とする人類学の博物館の本館です。台北駅の南側、二二八和平公園の北側に位置する新古典主義の建築物です。常設展として先住民族の文化と考古学的な紹介を行う「台湾の原住民族」、海洋の生態、陸地の生態などが展示される「台湾の生物」があります。その他、日本統治期に造られた児玉源太郎総督と後藤新平民政長官の銅像も見学しましょう。これらは日本統治期には1階ロビーに置かれていましたが、戦後撤去、保存されていました。しかし、2008年の博物館開館100周年の記念以来、再度展示されるようになりました。国立台湾博物館は、この本館の他、古生物館、南門館、鉄道部園区などからなる複合的な博物館です。

学びのポイント

台湾を総合的に理解しよう

亜熱帯から熱帯に位置する台湾は、日本とは異なる生態系が見られます。とはいえ修学旅行の日程でフォルモサ(麗しの島)と言われた台湾のすばらしい自然に十分に触れつくすことはできないでしょう。まずはこの博物館で台湾の豊かな自然の姿を理解しましょう。また、台湾には政府公認の16の先住民族が暮らしています。それぞれの民族の持つ文化のすばらしさに触れ、多元的な台湾の姿を理解しましょう。

どうして総督府は豪華絢爛な建築を造ったのか

博物館に一歩足を踏み入れると、その豪華なつくりに目を引かれます。単に価値ある収蔵品を展示するだけならこれほど建築に力を入れる必要はないはずです。どうして当時の台湾総督府は博物館に力を入れたのでしょう。それは、宗主国は軍事力だけではなく文化的にも優位であるということを植民地に対して示す必要があったためです。同じような観点で帝国日本は各植民地に博物館を造りました。

数度の名称変更後に今の名称に

1908年に設立されたこの博物館は、台湾最初の公立博物館です。1913年には「児玉総督および後藤民政長官記念博物館」と名称を変え、戦後の1945年10月には「台湾省立博物館」となりました。さらに1999年には「国立台湾博物館」と現在の名称に変更されています。省立から国立へと変わったのは、このころ中華民国政府が民主化の流れを受けて「台湾省」の機能を凍結したためです。

児玉源太郎総督と後藤新平民政長官の像(藤野陽平撮影)

さらに学びを深めよう
  • 【事前学習】【事後学習】「おうちで楽しもう台湾の博物館」の動画を見て、国立台湾博物館の4つの館(本館・古生物館南門館鉄道部園区)のテーマと特徴を理解しましょう。
  • 【事前学習】【事後学習】帝国主義の時代に、帝国が植民地に造った博物館、および植民地から収奪したモノを本国で展示した博物館について調べてみましょう。
  • 【現地体験学習】【事後学習】虎が描かれた台湾民主国の旗を見て、台湾民主国について調べてみましょう。
参考資料
同館の概要は、YouTubeのSNET台湾チャンネル「おうちで楽しもう台湾の博物館」の第1回 国立台湾博物館をご覧ください。国立台湾博物館の100周年に発行された『百年物語 台湾博物館世紀典蔵専輯』は日本語訳も併記されていて、この博物館について理解するのに有効です。建築当時の台湾については片倉佳史『台湾に生きている「日本」』(祥伝社新書、2009年)『台北・歴史建築探訪-日本が遺した建築遺産を歩く』(ウェッジ、2019年)が簡単に紹介しています。他の帝国日本が植民地に建築した博物館との比較については、藤野陽平「旧帝国日本の博物館をめぐる交差するまなざし-国立台湾博物館とサハリン州立郷土博物館との比較から」(『世新日本語文研究』10、2018年)が旧樺太の博物館との比較で論じています。

(藤野陽平)

ウェブサイト
公式 https://www.ntm.gov.tw/ 交通部観光局https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003090&id=5147 台北旅遊網(台北市政府観光伝播局)https://www.travel.taipei/ja/attraction/details/740
所在地
台北市中正区襄陽路2号